今回のテーマは、オンライン授業に関する調査結果への対応についてです。

昨年度のコロナ禍を受け、ほとんどの大学で遠隔授業を余儀なくされました。余儀なくされたと言いながら、従来の対面授業オンリーで初めての遠隔授業で慌てふためいた教員を尻目に、コロナ禍以前から遠隔授業のノウハウを溜めていた一部の教員も一定数いたわけですから、はやり教育内容も当然ながら教育手法も絶えず見直し、磨き上げていく必要があります。

 さて、今回取り上げるのは全面的な遠隔授業の実施後、学生のアンケート調査を行い、その結果を公開している早稲田大学の調査結果を受けた対応です。そもそも、早稲田大学の対応を見てみようと思ったきっかけは令和3年10月4日の朝日新聞の記事でした。

「ひらく 日本の大学」朝日新聞×河合塾共同調査はこちら

記事の中に早稲田大学が教員に「効果的なオンライン授業の心得」なるものを提示し、「学生の修学意欲を向上させるオンライン授業の設計を推進した」とあるではないですか。心得? それは是非とも見てみたいと思い、調べてみるとありました。

オンライン授業に関する調査結果(2020年度春学期)(早稲田大学HP)はこちら

そこには、「オンライン授業・ハイブリッド授業の検討および運営に関する6箇条」として、以下の6項目が提示されています。しかも、「以下のことについて、改善努力をします。」とまであります。うーん、本気度をヒシヒシと感じます。

 ・シラバスへの授業・評価方法の明示

 ・授業形態に応じた適切な教材の提供

 ・効果的なフィードバックの実施

 ・積極的な対話機会の提供

 ・学習目標に応じた計画的な課題のデザイン

 ・様々な学習環境への配慮

これだけにとどまらず、「学生からの要望を踏まえた対応例」にまで落とし込んで、具体的にどうしようとしているのかまで例示しています。こうすることで、大学側は学生との約束を交わしたことになりますから、いや、出来ないよという言い訳が教員からするとしづらくなりますよね。

 こうしてみると、どの項目も遠隔授業だからというよりもそもそも授業の質の向上には必要な項目に見えてくるから不思議です。教育の質的転換は実はこういったことで引き起こされていくのかもしれません。あっ、勿論、大学によっては“加速”ですよね、失礼しました。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

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