メディアに大々的に出ていましたので、皆さんもご存知のとおり、2022年度に大阪府立大学と大阪市立大学が統合し、「大阪公立大学」が開設されます。

文部科学省のHPには8月27日付けで設置認可が下りていますので、答申が掲載されています。

 令和4年度開設予定の大学等の設置に係る答申について(令和3年8月27日)(文部科学省HP)はこちら

 それにしても規模の大きな大学です。医学部もありますし、獣医学部もありますし、12の学部と学域が設置されます。

 せっかくなので、一覧にしてみますね。

学部・学域名定員
現代システム科学域265名
文学部160名
法学部180名
経済学部295名
商学部270名
理学部299名
工学部741名
農学部150名
獣医学部40名
医学部140名
看護学部160名
生活科学部153名
現代システム科学研究科(大学院)50名

大学院も含めて、入学定員総計2,903名となります。ちなみに編入学定員は除いてこの数字です。これが4年間ですと10,000名強の収容定員となるわけですから、物凄い教育リソースを有する大学の誕生です。

大阪公立大学HPはこちら

 ここに至るまでには多くの検討・議論が重ねられてきたのだろうなぁと思いつつ、調べていくと2013年(平成25年)1月に大阪府市新大学構想会議が「新大学構想<提言>」を提言したところからが始まりのようです。そこから2013年(平成25年)9月には大阪府と大阪市で「新大学ビジョン」が策定され、翌月の10月には大阪府・大阪市・大阪府立大学・大阪市立大学が「新大学案(平成25年10月版)」を作成し、2年後の2015年(兵営27年)2月には両大学にて「『新・公立大学』大阪モデル(基本構想)」が策定されています。2016年(平成28年)4月には副首都推進本部の下に新大学設計4者タスクフォースが発足し、翌年の2017年(平成29年)8月には第10回副首都推進本部会議にて「新たな公立大学としての2つの機能・戦略領域報告書」が報告されています。

大阪府立大学と大阪市立大学統合に関する情報はこちら

 これらの経緯を見ていくと、日本維新の会(橋下徹氏が中心メンバーだった政党ですね)が構想していた副首都推進の政策と連動した施策のようで、要は当時橋本氏が何度も訴えていた府と市の二重行政の解消の一部だったと捉えることができます。それはそうですよね、単純に考えて大学が二つあれば、重複する業務(たとえば事務局の業務はその最たる例ですが)が存在するわけで、一番最初の資料によれば、それぞれの大学に100億円以上の予算が計上されていたようですから、潤沢な財政の自治体ならまだしも(国内にそのような自治体は無くなってしまいましたが)、厳しい財政の中、タックスペイヤーである大阪市民からすれば、スリム化すべきところはすべきというのは当然な帰結な訳で、二重払いはご免こうむりたいものです。

 前向きに捉えると、同じ大学になることでリソースの全体最適は当然、行われることになるでしょうから、執行部の責任は重たいですが、伝統的に大阪府立大学は工学領域が強みですし、大阪市立大学は医療系の歴史がありますので、総合大学としての強みを活かして是非とも新大学のHPで謳われているような世界を目指した大学になっていただきたいと願っています。

 今後に期待したいところです。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

今後ともどうぞよろしくお願いいたします。


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