今回のテーマは「統合」です。大学に統合の形は様々。

まずは、本当に二つの大学を一つにして、ひとつの大学にしてしまうパターン。大概は一方が他方を吸収という形になって、他方は名前が無くなるか、一部が残るという形。慶應義塾大学は薬学部と歯学部をこの形で吸収してます。勿論、新しい大学を設立する場合もあります。大阪府立大学と大阪市立大学がこのパターンですね。その名も大阪公立大学。そのまんまですが、要は名前ではなく中身ですから。大阪公立大学はTHEランキングで200位以内を目指しているそうです。本当に達成したらすごいことですよ、これ。

 二つ目が学部の統合のパターン。これは法令上も出来るようになっており、認可申請の手続きに比べると格段に簡素化されています。

 最後は大学はそのままで、その上に統合するための組織を作ってしまうパターン。これは名古屋大学と岐阜大学が統合する際に設立した東海国立大学機構がこれです。国立大学法人は今後、このパターンが増えそうです。

 では統合するとどんなメリットがあるのか。単純に重複している部分は省略できますよね。例えば、事務部門。これは明確に効率化できるでしょう。あとは個別に教養科目も効率化できることでしょう。また、統合することで今まで出会うことのなかった教育分野、研究分野が互いを知ることで新たな分野を生み出す可能性があります。しかし、その前にお互いにすべきは内部資源の棚卸し。これは必須でしょう。何もしないまま統合しても互いの組織文化が残ったままでは全体に上手くいくはずがありません。そういった意味でも両大学の学長の存在は大きな位置を占めてきます。これって前例があるってピンと来ますか?

そう、一昔前の銀行の合併です。これも様々な形があり、痛みを伴いながらも現在の形になっていますよね。未だに出身銀行の派閥があったりですとか、システムの統合に不具合があったりとかを見聞しますが、それを対岸の火事ではなく、自分事として捉えているかどうか。

 私、勝手に想像していますが、地方銀行も統合の大きなうねりにありますので、地方の私立大学も恐らく統合のうねりの中にあると読んでいます。果たしてそれをキチンと視野に入れてマネジメント出来ているかどうか。マネジメントの巧拙が本当に問われている時代に既に突入していると言っても過言ではないと思います。

そうなると学校法人の運営状況に関心が出てきますが、それはまた別の機会に。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

今後ともどうぞよろしくお願いいたします。


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