今回のテーマは大学入試におけるオンラインの活用状況についてです。

就職活動については昨年のコロナ禍の状況を踏まえて、オンライン面接が主流になりつつあります。会社説明会から一次面接・二次面接、そして最終面接もオンラインで実施した企業もあるようです。さすがに最終面接は対面でという企業が多かったみていですが。

で、大学入試での活用状況はどうなのか。

文部科学省が設置しています「大学入試のあり方に関する検討会議」は令和元年12月から様々な議論がなされており、さる令和3年5月24日に開催された第26回では「新型コロナウイルス感染症に対応するための個別試験におけるオンラインの活用」なる資料が配付資料として公開されています。是非とも、皆さん資料の中身を見てください。興味深いですよー。

 まずは実施状況から一般選抜(以前の一般入試ですね)では約3%の学部が実施、総合型選抜(以前のAO入試)・学校推薦型選抜(以前の推薦入試)では約2割の学部がオンラインを活用した入試を実施しています。ちなみに、言葉の定義もありまして、「『オンラインを活用した入試』とは、直接試験実施者と受験者が対面せず、インターネット活用して実施される試験形態をいう。」とのこと。まんまと言えば、そのまんまですが、入試で対面せずに実施するなんて、今までだと国外の留学生で一部、実施していた程度だったことを考えれば、物凄い実施率ではないかと思ったわけです。ちなみに、私立の実施率が一番高く、全体の割合と同程度で、国立大学で一般選抜での実施率は1%です。むしろ、国立大学の個別試験は筆記のイメージですから、良く実施出来たなという印象です。

で、入試の実施内容についてですが、私、思い込んでおりました。てっきり面接がほとんどでそれ以外は低いのかと。いやいや。どの大学も工夫されていますよー。レポート・小論文では2割超の学部がオンラインで実施。(どうやって実施したのか?)プレゼンテーションは総合型選抜が約2割。実技試験は一般選抜で約1割超。ホント、頭が下がります。おそらく相当念入りに準備されて実施されたのでしょうから、その苦労たるや…。

で、この調査で私が注目したのが、「特定の志願者が不利益を被ることが無いようにするための対応」という項目。そこに「志願者の所属校と調整の上、高等学校の端末を活用した受験を勧めた」とあります。しかも学校推薦型選抜で割合が高いのは納得するとしても、総合型選抜や一般選抜でも実施されているという結果が。高等学校がそれをOKしたんですよね、もちろん。凄すぎます。高等学校の先生方の負担もさぞかし大きかったことでしょう。多分ですが、受験生によって受ける大学が違うわけですから、ほぼ個別サポートをなさったのでしょうね。PCが得意な生徒がオンラインで受験するわけでもないですしね。

で、自由記述の欄も是非、読んでいただきたいです。良かった点と課題も率直にまとめられています。課題はやはり、段取りですか。それは大学側もそうですし、受験生側もそうですよね。どちらも慣れてないのですから致し方無いかと。

ただ、これはもう後戻りできない道に踏み込んだも同然ですから、これからはオンラインの活用は広がっていくことは避けられないでしょう。だって、行かなくても良いのですから遠隔地のデメリットが単純に解消されてます。

でもですよ。私はそこでグッと引いて観る癖がありまして、国内の大学でそれだけ実施するということは当然ながら国外の大学も実施する、いや果敢に実施してくるのではないかと思い至ったわけです。ここでも優秀な生徒であればあるほど、海外の大学に目を向けるチャンスがぐっと広がったわけです。そうなると、必然的に世界標準の教育が求められますよね。昔のように何十年使ったか分からないようなノートをベースに板書だけしてハイ、おしまいでは通じなくなってきています。もちろん、何年もパワポの使いまわしも同じレベルです。いよいよ大学の教育力が問われる時代になってきました。本当に教育と誠実に向き合っている大学が残る時代です。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

今後ともどうぞよろしくお願いいたします。


1件のコメント

オンライン授業に関する調査結果にへの早稲田大学の対応は注目に値します。 - 大学よもやま話 · 2021-10-06 22:39

[…] 大学入試でもいよいよオンラインの活用が端緒につき始めました インターンシップもとうとうオンラインの時代に カテゴリー: 大学 タグ: 早稲田大学遠隔授業 […]

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