文部科学省の概算要求のポイントを見ていると、新規事業として「地域教員希望枠を活用した教員養成大学・学部の機能強化」に17億円とあります。

「令和6年度 ⽂部科学省概算要求のポイント 11頁」(文部科学省)はこちら

報道によりますと、「地域教員希望枠」とは、「特定の都道府県や市町村で教員を目指す高校生らを対象に、推薦入試などで学生を募る制度」を指しており、既に制度を導入している大学もあるようです。

「教員確保へ大学に「地域枠」…文科省が後押し、志望者拡大目指す」(2023.08.05 読売新聞オンライン)はこちら

参考までに地域枠制度を導入している主な大学は以下の通り。

岡山大学

宮崎大学

大分大学

福井大学

横浜国立大学

千葉大学

いずれも国立大学の教育学部ですので、地域の教員養成の機能を担ってきた大学ですね。

しかし、これだけ倍率が下がっている現状において地域枠を設定する大学に支援をすることがどれだけの効果(ここでは教師を志望する学生が増えるかどうかという視点です)があるのかは正直、疑問です。

医学部はご存知のとおり、医師の地域間格差を是正するために地域枠を設けて特例的に受け入れを行っており、これは地域医療を担う人材育成の機能に一役買っているとすぐにイメージできます。

ただ、今回の教育学部の「地域教員希望枠」は本当に需要があるのかどうか。教員不足の要因は各種報道がなされているとおり、現場の教員の働き方が依然、昭和の香りで充満しているという点、正式採用(いわゆる「教諭」)ではなく、「常勤講師」という名の不安定な身分(単年度雇用)の教員によって現場が支えられているという点が改善されない限り、教員をそもそも目指そうとする高校生が増えないのではないかと思われます。

もちろん、例外はありますので、その例外をスタンダードにする動きに支援がいくよう行政には期待したいところです。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

今後ともよろしくお願いいたします。

(参考記事)


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