これまでも各種報道で取り上げられていた教師の働き方について、ようやく中央教育審議会にて議論がされることとなりました。ただし、2025年に法案が提出されることのようですので、まだまだ先の長い話なのですが。
「「令和の日本型学校教育」を担う質の高い教師の確保のための環境整備に関する総合的な方策について(諮問)」(2023.05.22 文部科学省)はこちら
ここで改めて争点の整理を。
「教員「残業代」50年ぶり増額、中教審議論へ 2.5倍案も」(2023.05.22 日本経済新聞・会員限定)はこちら
この報道を始めとして採り上げられていますが、現行法では教師への手当てとして「教職調整額」として月給の4%が支給されており、時間外手当は支給されないこととなっています。法の制定当時の時間外労働時間から算定されていたことと夏休み等長期休業期間があることから当時は妥当な算定となっていたようです。
しかしながら、ほぼ際限のない広範な業務範囲を担っている現状からするとかけ離れた算定となっているというのが背景にあります。上記の中教審への諮問の関係資料にもありますとおり月平均45時間以上の時間外労働をしている人が小学校では約35%、中学校に至っては50%を超えていますので、まだまだ現場の長時間労働は常態化していると捉えることが出来ます。(教育委員会における学校の働き方改革のための取組状況調査)
もちろん、教育委員会も何も手を打っていないわけではなく、【学校・教師が担う役割分担・適正化のための「3分類」】*1に即した取組等を行っており、DXにも着手しており、以前に記事で取り上げたとおり、保護者との連絡手段のデジタル化に至っては、都道府県・政令市で90%以上、市区町村で80%以上で実施されています。
今回、中教審への諮問内容である手当の改善は議論されるべきですし、現状に即した形の算定に改善されることに期待したいです。ですが、それ以上に現状の教師への支援としては、更なるDXの推進、定数の見直し、支援員(いわゆる事務職員)の増加に取り組院でいくこを期待しています。特に支援員の増加は即効性があると思いますし、「3分類」への取組にも合致していると思われます。
*1ちなみに【学校・教師が担う役割分担・適正化のための「3分類」】は以下の通り。
・基本的には学校以外が担うべき業務(登下校/放課後の見回り/徴収金の管理など)
・学校の業務だが、必ずしも教師が担う必要のない業務(調査等への回答/部活動など)
・教師の業務だが、負担軽減が可能な業務(学校行事/進路指導など)
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
今後ともよろしくお願いいたします。
(参考記事)
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