今回は、全国の教育委員会を対象としたアンケート調査の結果概要が公表されていますので、見てみたいと思います。

特定分野に特異な才能のある児童生徒に対する学校における指導・支援の在り方等に関する有識者会議(第5回) 配付資料(文部科学省HP)はこちら

集計結果は以下の通り。

支援策「有」:30(5.9%)

支援策「無」:474(94.0%)

これってほとんど支援策が無いと言って良い割合です。いや、むしろ5%もよくあったなというべきなんでしょうか。ただ、提供しているプログラムやイベントを見てみると、それが果たしてここで言う特定分野に特異な才能のある児童生徒に対する支援策なのかと思うのも含まれていますが、より幅広く何かの策を講じているかどうかなので、浅く広く拾っていくということも必要なのかもしれません。

主な自由記述も掲載されていまして、「(3)「無」と回答した教育委員会において、支援策の実施が困難な理由や実施に必要な条件」としては私が気になって回答は下記の通りです。(一部抜粋・省略しています。)

○対象児童生徒の見いだし

ただ、「支援策の実施」以前に、「特異な才能のある児童生徒」と判断するために「・・・一定以上の能力を示す者」とあるが、「一定以上」という幅のある基準は、判断する際に困難が予想される。

これ、分かりますよね。どの基準かを示してもらわないと動けないという。この項目だけに依らないですが、とにかく活動(トライ)しながら、後で修正(アジャスト)していきましょうという感じは教育委員会では難しいんでしょうね。決裁が下りなさそう。これ、個人的に深く共感できます。

○指導・支援の方法

・教育課程をどのように組むべきなのか悩む上学年の学習を進めることが良いのか、知的好奇心を広げる 学習をするのが良いのか)。

あー、この方法論の議論も分かります。どこにフォーカスしていくべきなのか。迷いますよね。取り敢えず、どちらかでやってみてという訳にはなかなかいかないですよね。一旦、走り出すと方向転換するの難しいですしね。それまでの合意形成がなんだか無駄になっている感が出てきますし、サンクコストも指摘されそうですしね。

○専門性を持った人材の養成・育成

相談できる機関や専門的な支援ができる外部機関が必要だと感じている。

そう! これは解のひとつでもあります。内部リソースでは発想も活用も限界が出てきますから、外部リソースの活用はこれからはどの分野でも必須ではないでしょうか。お互いWIN-WINとなるようにオープンネットワークを常に視野に入れておくことは必要です。

○公平性

・公教育は広く平等に教育することを求められており、特異な才能がある児童生徒がいたとしても、そこにピンポイントで支援をするのは、人的にも物的にも難しい。

出ました、公平性。保護者の目が厳しい時代になってきましたからね。うちの子はなんでそのプログラムに入れないんだ、なんてクレームを入れられた日には対応が困りますしね。

いやぁ、よーく分かります。教育委員会の立場も、学校の立場もよーく分かります。やはり、今のところ、大学や企業などの外部機関をうまーく活用して、才能の吹きこぼれが出てこないように持っていくのが最善の策のように思えました。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

(参考記事)


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