日本では小学校から大学卒業までよほどのことがない限り同年代の人たちと過ごす時間が圧倒的に長いという現状があります。同質性とも表現されていますが。もちろん、その間に様々なギャップがあり、それを乗り越えていくことが必要なのですが、学生から社会人へのハードルが一番高いのではないかと個人的には思っています。なので、職業体験やインターンシップ、地域活動などの実際の現場での活動がどのようなものなのかを体験できる機会は非常に貴重なものだと思いますし、今後、その機会は増えることはあっても減ることはないでしょう。一方で、とは言いつつ、その活動も国内での活動が圧倒的に多いわけですから、文化的な背景で言うと、同質性を有していると取れることもできます。

そこで、「海外留学」という選択肢の有用性を見てみたいと思います。物理的に住んでいる場所が国内ではありませんので、多様性を体感できるということは事実としてあると思いますが、実際に経験した人たちの感想を見てみることが実態に近いと思います。

「海外留学生のキャリア意識と就職活動状況」(2023.05.09 株式会社ディスコ)はこちら

上記の調査結果は実際に正規留学もしくは交換・派遣留学をしていた大学生への調査に基づいたもので、このコロナ禍における海外留学の調査結果としては貴重な内容となっています。主にキャリア意識に関する調査ですので、その観点からの結果からの読み取りとなりますが、国内にいる学生との差がはっきりと出ている項目は下記の通りです。

就職先企業を選ぶ際に重視する点として、「「日本以外の国で働ける」「高いスキルが身に付く」「優秀な人材が多い」といった項目は、留学生の方が大きく上回っており、自身がスキルアップできる環境を求めていることが読み取れる。」とのこと。決して、国内の学生が重視している待遇面等を軽視しているわけでなく、はっきりと差が出ている項目がこの項目と言うことです。このことは、日本人留学生の方がジョブ型採用を志向している割合が大きいという結果とも通じていることですので、より自身のスキルへの関心が強まっていると見てとることができます。

興味深かったのは、そのことを裏付けるように自由記述の項目である「留学によるキャリア観への影響」には、

「留学前は福利厚生、給与、残業時間、プライベートとの両立など、利己的なキャリア観を持っていたが、留学を経て、日本社会への貢献、世の中に与える影響など、より利他的 なキャリア観を持つに至った。」

「日本の企業のジェネラリスト的な働き方ではなく、専門性を身に着け自身でキャリアをコントロールできるような働き方に魅力を感じるようになった。」

との記載が。

元々、海外留学を志向していた学生ですので、そのようなマインドがあったのかもしれませんので、海外留学したからマインドセットがされたとは言い難いですが、少なくとも文化的な背景の違う人たちと過ごすことの効用は読み取れるかと思われます。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

今後ともよろしくお願いいたします。

(参考記事)


1件のコメント

トビタテ!留学 JAPAN 新・日本代表プログラムの選考結果が公表されています - 大学よもやま話 · 2023-07-07 11:32

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