初等中等教育課程での「特別免許状」という制度をご存じでしょうか。社会人を教師として採用する制度を指していまして、この4月には教員不足が深刻になったことを踏まえ、文部科学省でも「学校教育における外部人材活用事業」の公募も実施されています。

教師不足は以前からもメディアで度々報道され、その業務の苛烈さからそもそも教員採用試験を受ける受験者が減ってきていることで拍車が掛かってきており、深刻な状況になっている模様です。そこで、外部人材の登用ということで、「特別免許状」制度の活用へにわかに注目が集まっているわけですが、日本経済新聞の報道によると、0.1%という極めて少ない活用しか出来ていないという現状。

「教職で進まぬ民間起用 特別免許、一般教員向けの0.1%」(2022.07.19 日本経済新聞・会員限定)はこちら

で、もう少し調べてみると、これも各教育委員会によって取り組み姿勢が異なるようでして、中日新聞の記事では、福井県教育委員会では選考枠の拡大を図っているようです。

「<先生が足りない> 国が特別免許状活用要請 社会人採用頼み 解決遠く」(2022.06.30 中日新聞)はこちら

この記事で私が注目したのが、現場の教師の意見。そもそも正規雇用が少ない状況や教員免許取得までのプロセスを経て来ていない人が教壇に立つことへの疑問が挙がっています。

あとは、現在の臨時的任用教員(常勤講師)や非常勤講師の処遇なんでしょうね、おそらく。現行の教員免許取得までには教育実習以外にも結構なハードルがあるわけでしてそれを経ずして教壇に立つということはそのハードルの意義が損なわれるもしくは軽んじられるということにも繋がるわけですから、一概に教員不足だから特別免許状を活用すればよいという発想そのものが教職課程そ存在自体を危うくしているのかもしれません。

まぁ、中日新聞の記事に依りますと、「文科省の担当者は、特別免許状がそもそも教員不足の改善を図る制度ではないことを認め」ているということですので、公式にはあくまで別の取り扱いということなんでしょうね。現場の教師の負担軽減策(事務職員を増やし、教師の事務量を軽減するなど)は既に挙げられていますので、実施可能なところから速やかに実施していただきたいものです。結局、影響を受けるのは生徒なのですから。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

今後ともよろしくお願いいたします。

「特別免許状及び特別非常勤制度について」(文部科学省)はこちら


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