今回のテーマは、不登校に関する調査研究協力者会議についてです。

「不登校に関する調査研究協力者会議(第6回)配付資料」(2023.02.14 文部科学省)はこちら

文部科学省では、不登校に関する調査研究協力者会議が立ち上げられ、不登校に関する調査を基に議論がなされています。

中でも、一部報道されていますように、不登校児童生徒数が近年増加傾向にあります。

「参考資料2 不登校に関する基礎資料」(2023.02.14 文部科学省)はこちら

具体的に会議の基礎資料を見てみますと、令和3年度は、小学校・中学校合わせて、実に約24万人(小学校が約8万人、中学校が約16万人)が不登校児童生徒として集計されています。昨年度が約19万人でしたから単純に5万人の増加。経年で見ると確かに増加傾向ではありましたが、令和2年度から令和3年度の伸びは異常かと。コロナ禍が間違いなく要因としてはあるのでしょうが、元々の傾向に拍車がかかったと言えるのだと思います。

なお、同じく基礎資料内の「小・中学校における不登校児童生徒への対策」の中に記載のある「現在支援が届いていない層への新たなアプローチ」として取りあげられているのが以下の4点。

・有識者会議における不登校の要因・ニーズ分析

・教育支援センターのアウトリーチ型支援(家庭訪問等)

・引きこもり児童生徒に対するICT等を活用したSC・SSWによる支援

・こども家庭庁による居場所づくり(NPOや子供食堂等)との連携

・不登校特例校の全国的展開を強力に推進

ここで私が認識したのが「不登校特例校」の文言。そう言えば、日本経済新聞にそのような記事があったと印象に残っていました。

「不登校の受け皿 拡充急ぐ 特例校、21校どまり 全国に24万人超、文科省会議 人材や財源、地域差も」(2023.02.15 日本経済新聞・会員限定)はこちら

そもそも不登校特例校とは何ぞやなのですが、ざっくり言うと、教育課程が柔軟に設計することができるという特例が認められた学校ということです。

「特例校(不登校児童生徒を対象とする特別の教育課程を編成して教育を実施する学校)について」(文部科学省)はこちら

設置状況を見ますと、日本経済新聞の記事にもありますように、明らかに少ないという印象を受けます。ですので、この校数を増やしていこうという対策が上記の対策の4番目ということですね。

「不登校特例校の設置者一覧 特例校の設置状況(R4)」(文部科学省)はこちら

ということで、現在の不登校特例校ではどのような教育が展開されているのかをリサーチしてみました。

「不登校特例校の先駆け「高尾山学園」、登校率約70%・進学率95%超の理由 大人が徹底して寄り添う組織体制を独自に構築」(2023.2.13 東洋経済オンライン)はこちら

この学校では、「学生サポーターを含めれば、総勢約100人の大人がおり、子どもたちは誰かしらに話を聞いてもらえる環境」があり、教職員の他に、児童厚生員、スクールソーシャルワーカー(SSW)、臨床心理士、スクールカウンセラー(SC)が配置されているようです。

場所だけを提供するのではなく、他者との接点を確保しておくことが有効な対策であることが読み取ることができます。

「「不登校の生徒が登校率85%の奇跡」岐阜の”バーバパパのがっこう”に殺到する全国の教育委員会が驚愕の光景 担任は自分で選ぶ、トイレは1100万円で改修」(2022.10.30 PRESIDENT Online)はこちら

この学校では、自主性を重んじているようでして、自ら選択できることも有効な対策であるようです。

いずれにしても、個別の対応が必要と言うことですので、手間と時間がかかることですが、発達の時期を丁寧に対応しておくことは、彼ら彼女ら自身の人生を有意義なものとすることは当然のことながら、社会の安定と言う観点からも必要なことだと感じました。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

今後ともよろしくお願いいたします。

(参考記事)


1件のコメント

「バーバパパのがっこう」が岐阜市にあります(草潤中学校) - 大学よもやま話 · 2023-08-25 11:38

[…] 30秒感想:不登校に関する調査研究協力者会議について 30秒感想:テクノロジーによる不登校児童への支援が本格化しています カテゴリー: 中学校・高等学校 タグ: 不登校特例校 […]

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