地方国立大学の定員増の選定結果がとうとう公表されましたね。

「令和5年度魅力ある地方大学の実現に資する地方国立大学の定員増の選定結果について」(20220610 文部科学省 HP)はこちら

「地方国立大の定員増、中四国3大学の決め手は?」(20220618 ニュースイッチ)はこちら

まずは結果から、

申請件数:5大学 審査結果:3大学

という結果でした。

意外と少ないと思うのは私だけではないでしょうが、申請要件となっている

・定量的なエビデンスに基づく詳細な人材需要分析

・取組が、他に類を見ない先導的かつ独創的なものであること

・地方創生に資する明確なアウトカムが見通せるものとなっていること

・取組に係るアウトカムを意識したKPI設定とすること

を見るとなかなかなハードルです。

で、上記の文部科学省のHPにはおそらく各大学で作成された一枚物のペーパーが添付されているのですが、これもなかなか衝撃的でした。(もちろん、個人的にですが)

例えば、島根大学の場合、「材料エネルギー学部による産業変革先導拠点の創出」と題して、新学部の設置に至る県の課題と設置の趣旨が示されています。なぜに「材料エネルギー学部」なのかがまず「?」なのですが、これも上記のニュースイッチの記事から補足すると「ささら製鉄の伝統から材料関連の企業が多い」とのことです。すでに「地方大学・地域産業創生交付金事業推進」にされていますので、そこにコンピューティングを掛け合わせ、地域企業と連携することでさらなる推進を目指しています。

ガバナンス体制にも着手していて、教員人件費を学長による一元管理であったり、教員数の半数以上を学外から招へいしたり、学部経営会議の設置と今までの仕組みからの変革にも着手しています。

最後にKPIに目を引かれたのですが、その一つに県内就職率があり、70%以上を目指し、R14には50%以上を目標数値としています。国立大学でこの数値を提示すること自体がなかなか挑戦的なことだと思いますが、広島大学のように入試段階からその志向性を持った学生を入学させていく必要があるでしょうね。

そのほかにも、スタートアップ企業創出数をR14までに新規5件、県内企業研究者等の雇用増加数をR14までに新規で400名としています。

このような目標設定をし、目標管理をし、改善に繋げていく。一般企業であれば普通のことなのでしょうが、大学という組織でそれほど浸透していない(形式的には全国立大学で中期計画がありますので浸透しているように見えます)のは、やはりそれをマネジメントしていくリーダーの育成が進んでいないからではないかと。

この事業を通じて、学部運営だけでなく、大学のマネジメントが変革していくと地方から面白い動きとなるのではないかと思われます。

最後までお読みいただきありがとうございます。

今後ともよろしくお願いいたします。

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