令和3年12月に中央教育審議会大学分科会が審議まとめとして、「これからの時代の地域における大学の在り方について-地方の活性化と地域の中核となる大学の実現-」を公表しています。

「これからの時代の地域における大学の在り方について-地方の活性化と地域の中核となる大学の実現-」(審議まとめ)(2021.12文部科学省HP)はこちら

勿論、詳細については上記頁をご確認いただきたいのですが、まとめを概観してみたいと思います。とその前に、審議まとめの最終頁にあります「終わりに」から。

そこには、下記の記述があります。

「地域の中核となる大学」とはどういうことなのか。このことについて今

回改めて議論を積み重ねてきた。大学が地域の中核となる上で求められているこ

とは、「地域ならでは」の「学び」や「イノベーションの創出」であり、換言す

れば、「その大学でしか成し遂げることができないこと」なのであろう。

これが全てを集約していると私は捉えました。」その大学でしか成し遂げることができないこと」。本当にそれを突き詰めていますか、というこの問いは非常に重いものです。地方にある中小規模の大学が都会の大規模大学の教育プログラムを真似てみても上手くいかないことは容易に想像できます。それは教育リソースであったり、資金であったりが圧倒的に違うから。その地に設立した経緯、その地の置かれている現状と人口動態や産業の状態から予測できる未来から本当に考えていますか。その地にある初等中等教育課程の現状も正しく把握出来ていますか。全ての学生が卒業後、その地の企業に働くことはないにせよ、その地にあるという意義を見いだせていないのであれば、将来は明るいとは言えません。それは企業で既に立証されていることです。

さて、この検討会議では、地域(地方としないにも意味があります)に置かれている状況を概観した上で以下の3点が課題として指摘されています。

1.学修面での課題

2.イノベーション創出上の課題

3.連携上の課題

それぞれ大学の視点、国の視点、地方公共団体・産業界の視点から具体的な事例案を挙げて推進や創出を提起しています。大学としての主な取り組み案としては、

1.卒業生に関する基礎的データの収集・分析・共有、長期インターンシップ

2.学外との連携窓口となる人員配置、ジョブ型研究インターンシップの実施

3.高等学校など地域の初等中等教育機関等との連携

が提示されています。

どの取り組みもゼロから想定したものではなく、今ある、つまりどこかで実践されている事例だと思われますので、取り組むハードルは高くはないはず。あとは、そもそもこういった審議まとめをまめにチェックしている組織であるかどうか、とリーダーの本気度ですかね。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

今後ともよろしくお願いいたします。

関連記事


コメントを残す

アバタープレースホルダー

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です