どこか違う土地に降り立つ

懐かしさ


普段、感じることのない感覚が湧き上がる

これまで培ってきた経験が微塵も役に立たなそうな感覚

異国の地に立つと特にその感覚がより鮮明になる

ここで
何を見
何を感じ
誰と巡り合うのか

答えはどこにもない

作者はおそらくどこまでも旅を愛し、愛されてきたのだろう
でなければ、旅屋なんて職業を思いつくものでもない
旅をすることで誰かの役に立つ
自分だけのものにせず、誰かの為の旅

主人公は、確かに誰かの為の旅をし、誰かの役に立っている

世の中にはその地に行きたくても行けない人がいる
その人にとってのかけがえのない旅を提供する
でもそれは誰でもよいわけではなく、その人だからこそ、依頼をしたくなる人でないと意味がない
究極のサービス業としての旅を

また、旅をしたくなる物語

オススメである



原田マハ(2014)『旅屋おかえり』.集英社文庫.


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