The principal mark of genius is not perfection but originality, the opening of new frontiers.
Arthur Koestler
天才たる第一の刻印とは完璧さにでなく、フロンティアを開拓する独創性にある。
アーサー・ケストラー
ミス・パーフェクト。
その名の通り、パーフェクトに仕事をこなす女性。しかも時の総理大臣の隠し子でもある。
例によって、「そんなアホな」設定なのだが、今回もご多分に漏れず没入感たっぷり。
章立てが問いになっているので、自分の答えを持った上で読み進めると面白いかも。私は自分の考えを持つまでもなく没入したので、徐々に明らかにされていく答えに唸るしかなかった。
ミス・パーフェクトなんだけれども、人間味もあり、かつ人に寄り添う優しさもある。だから、この人ならと信頼を寄せる。単に仕事が早いだけとか、効率がよいだけとかのビジネスマンではなく、現実的な落とし所も見据えながらのその時点での最適解を導き出す。学歴やそれに附随する人脈は当然真似出来ないにしても、丁寧な説明や予測の及ぶ範囲は働く者なら誰しもが参考となるはず。
それにしても、この作者の奥は底が知れない。完全にハマったとしか言いようがない。伊坂幸太郎氏や福田和代氏以来のハマり方。
続編もありそうなので、幸運にも愉しみは続く。
というわけで、今回もオススメ。
横関大(2021)「ミス・パーフェクト」.幻冬舎.
(参考記事)
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