見たものが全てではない。


主人公は到底、警察関係者とは思えないナリを装う鵜飼縣。

彼女のコネクション、ネットワークの広さには読み進めていくに従って、舌を巻いてしまう。

どれだけスキルがあってもそれを活かせる場とタイミングが必要。

そのためのネットワークと思えば、日頃の人間関係の煩雑さにウンザリされている方も少しは自分の中で解消できるのではないだろうか。そんなことを読後に思ってしまった。

主人公も含めた登場人物の不思議なキャラクターの設定は、違和感なく受け入れられ、すんなりと没入できる。しかも、あっという間に読み進んでいることに気付かされる。
熱狂しているわけではないが、入り込んでいる。

もちろん、映像も浮かぶ。

不思議な感覚ではある。


そして、最後は装丁の英文字でダメ押しされる。

とにかく、オススメ。




首藤瓜於(2023)『アガタ』.講談社.


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