日常の小さな出来事。
普通の人ならやり過ごしてしまうような小さな出来事。
それらの出来事に注意を向け、物語を紡ぎ出すことができるのが作家なのだろう。
作家によらず、そのような視点を持ち、表現するのがクリエイターなのだろう。
思えば、幼い頃は、皆、自分独自の視点を持っていたはずで、それが集団での活動に従っていくことで、失われていく。
この恩田陸氏の短編集も誰しもが遭遇しうる出来事から派生して物語が出来上がっているように思える。
ただ、ほんの少しのズレだったり、狂気だったりが加わることによる物語の奥深さは、やはり、唸らされる。
言葉による世界によって生かされている私にとって、この上ない報酬とも言える。
しかし、読む時は心穏やか時をオススメする
恩田陸(2005)『図書館の海』.新潮文庫.
(参考記事)
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