本日の書籍は西尾維新氏の『JOJO’S BIZARRE ADVENTURE OVER HEAVEN』です。既に絶版のこの書籍。かの有名な「ジョジョの奇妙な冒険」のノベライズ版です。しかもディオをフューチャーした小説で、ディオの一人称、つまりディオの視点から描かれています。もっと言うと、ディオの最期までの日記の形態をとっています。序文に書かれているとおり、『天国へ行く方法』についてのディオの日記、というより忘備録に近いです。

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 と紹介しておいてなんですが、この小説、原作を読んでいて初めて成立する小説でして、予備知識がなくこれだけ読んだとしてもおそらく「???」が延々に続きます。原作を読んでいるからこそ、ディオの生い立ち、第一部のラストに至る心境、目覚めた後の第三部での数々の行動の意味が腑に落ちてくる設定となっています。しかし、この著者である西尾氏はなぜここまでディオに浸り、ディオになりきり、ディオを俯瞰できているのか。これが小説家のなせる能力なのだと言えばそれまでなのですが、それにしても、ディオの心情の広がり、深さ、両親に至るまでキャラクターの描き方、活字を読んでいるのですが、原作の漫画が出てくるわけです、眼前に。

 原作を読んだことのない方にディオを一言で表現すると、「悪」です。本当に「悪」です。「悪」なんですがこの小説を読んでいくと、そうでない面が見えてきます。そうなると原作を再読したくなる。あの場面での自分の印象は間違っていて、違う側面があったのかと思ってしまいます。もしかして、それこそがノベライズ版の意義なんでしょうか。そういった意味では、まんまとハマった訳でして、皆さんにも是非ハマっていただきたいです。

 西尾氏の書籍は初見だったのですが、何冊も出版されている有名な作家のようですので、これから読み進めていきたいと思います。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

西尾維新(2011)『JOJO’S BIZARRE ADVENTURE OVER HEAVEN』.集英社.


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