前回が12巻ということは3巻も読んでいながら、感想を取りまとめる気にならなかったということ。自分の中で整理がつかず、まとまりがつかず、そうこうしているうちに過ぎ去っていったということかと。読んでいる最中は、これまでで一番長い長編ということもあり、徐々に登場人物が沸き上がってきて点と点が結ばれ、物語に没入出来ているのだが、いざ、吐き出そうとするとどうもまとまりがつかない。書く気が起こらないというか。
今回、そういったことも含めて、書いてしまおうと思い、今、まとめている。まとまっていないが。
これほど躊躇させるものは何かと逡巡しているとある一点に辿り着いたような気がする。
それは「死」というものへの対峙に対する覚悟を求められているからではないか。インプットの際にはそれほどのハードルはないものの、アウトプットの際にはこれほど高いハードルはない。自分自身の死生観を眼前に突きつけられている物語ではないかと振り返ると思い至る。
人は生まれ、人は死ぬ。
この世の唯一の絶対。
死に対する覚悟はどうなのか。
この物語に登場する人物たちは、ある時から自らの死に対する覚悟を求められている。思えば、主人公であるチンギス・ハンは登場した当初からそれを抱いており、その生き様を我々に突きつけているように思える。お前はどうなんだと。
しっかりと自身を見据え、しっかりと今を生きる。一日一生。
今巻もオススメ
最後までお読みいただきありがとうございました。
今後ともよろしくお願いいたします。
北方謙三(2023)『チンギス紀 十六 蒼氓』.集英社.
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