３０秒間読書感想文：伊兼源太郎氏『地検のＳ　Ｓの幕引き』

揣而鋭之　不可長保　（老子）

揣(きた)えてこれを鋭くするは、長く保つべからず。

刃先を鋭く尖らせればそれだけ長持ちしなくなる


震える。ただただ震える。

ここまで、惹きつけられ、没入させられるとは。

三部作の物語は、今作をもって収束する。

主人公・伊勢雅行の置かれている状況の孤独、哀しさ。読めば読むほど身につまされる物語が続いての今作。

「幕引き」

これほどしっくりくる言葉はない。

Ｓがどのような幕引きをもたらすのか。じっくりと読んでいただきたい。

もし、前二作を読んでいないのであれば、是非とも読んでから。

読まれている方も是非とも読んでから。

下手をすると、人生観に変化をきたす物語。

心して、そして、堪能していただきたい。

当然、オススメである。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

伊兼源太郎（2022）「地検のＳ　Ｓの幕引き」．講談社文庫

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