私、畠中氏の物語好きです。一見、ミステリーでなさそうで、実はガッツリとミステリーというところも。どこらへんがなさそうなのかは表現できないのですが…。

畠中氏の代表作と言えば、『しゃばけ』。恥ずかしながら、小説のジャンルをつい最近読み始めた私にとりまして、名前は聞いたことはあるけれども、読んだことはないという物語がほとんどでして、『しゃばけ』も同様に読んだことはございません。

でも、そのことがむしろ良かったように今となっては思っています。頻繁に出てくる「若だんな」というフレーズと妖を軸とした物語なのですが、『しゃばけ』の予備知識なくとも十分に没入することができました。それは、本編にかかわらず、登場人物のキャラクターがしっかり立っていてイメージしやすかったということで、それは、本編を読む段になってより深みを与えてくれるということだと捉えています。

この『しゃばけ』の外伝、つまりスピンオフとしての物語が、この『えどさがし』でして、物語としては5編あります。まぁ、ジャケット(装丁)に「しゃばけ外伝」と書いてありますので、分かりやすいといえば分かりやすい。今となっては、ジャケットで選んでなかったのに何故、手に取ったのかは不明です。呼ばれたということなんでしょうね。

登場人物は妖だけでなく、江戸の市井の人々。不思議なことが起こったり、物騒なことが起こったりと、読者を物語の世界へ引き込んでくれます。

で、不思議と妖がいる世界もまんざらではないなと思わせてくれるのも畠中氏の凄いところでして、本編の『しゃばけ』も是非、読んでみたいと思ってしまいます。術中にはまっていますね。

ということで、読みたい物語がまた増えてラッキーな出会いでした。

おススメです。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

畠中恵(2014)『えどさがし』.新潮社.


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