福田氏の物語は「学び」が多い。

決して、没入感がないということではなく、「?」や「!」によって自分がもともと持っていたであろう知的好奇心が刺激されているのが後から振り返るとハッキリと自覚が出来る。

これまでの人生でも、そして、これからの人生でもおそらく触れることのない業界のことを物語を通して疑似体験することができる。有り体に言えば、物語とはその機能を有している。

昔話ではそこから教訓を知り、学び、人生に活かしていくツールとして長くそして広く浸透しているし、そこには民族的な要素も多分に含まれている。

翻って、今回の物語。近未来の設定で地球とケーブルで繋いだステーションで働く人達の物語。地球で当たり前にしていることが宇宙では出来ない。人間の置かれている環境のはかなさ、稀有さを読み進めるうちに実感出来る。

様々な思想・思考の人がいるのは当然で、最後は良心というか、善なる心が救いとなる。そのことにも気づかされた。

日々の営みからの学びと周りの人たちへの感謝と。
大げさでなく、居ずまいを正された。

最後にこの物語を10年前に上梓されている福田氏の慧眼。さすがである。

オススメである。









福田和代(2012)『宇宙(そら)へ』.講談社.


3件のコメント

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