本日の物語は、福田和代氏の『潜航せよ』です。

『迎撃せよ』からの続編で、主人公は航空自衛隊の安濃。前回の物語から4年くらい経った後の設定となっています。前回の物語で自衛隊内も含め、テロリストの一味と疑われていましたので、事件解決後も大変だったようで、異動となって、次の異動からの物語となります。タイトルおよび表紙から潜水艦が主な舞台となっており、中国の原子力潜水艦の爆発事故が物語の発端となっています。安濃自身は異動先への移動の最中に起こることですので、最初はとても遠いと感じてしまいました。なにせ前回が直属の元上司がテロリストの一味との関連に疑問を抱いての行動ですから、そもそもスタートが違っていますので。

なんですが、それが段々と近づいてくるという展開にグッと没入することができました。元部下だった遠野真樹の関わり方も絶妙に入ってきますし、今回は安濃は確かに主人公ではあるのですが、中国の原子力潜水艦の艦長が主人公といっても良いくらい丁寧に描かれています。それも現在の中国を軍人の視点から描写されており、中国人の視点でありながら冷静な視点で描かれていますので、物語ではなるのですが、同時に地政学的な学びにも繋がります。ひとつの物語に現代の現状が含まれているとすんなりと腹落ちするもんなんですね。

最後に、これだけは言いたい。『生還せよ』の前にこの『潜航せよ』は読んでいただきたい。繋がっているので。

ともあれ、おススメです。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

福田和代(2013)『潜航せよ』.KADOKAWA.

(参考記事)


1件のコメント

1分間読書感想文:福田和代氏『火災調査官』 - 大学よもやま話 · 2022-03-22 23:09

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