ミステリーではあるものの、死刑制度の存廃という社会問題にもかなり突っ込んだ記載のある物語。

正直、読み進めていくにはかなり息苦しい。ただ、その先に何があるのか、どうなってしまうのか、を追い求めて読み進めていってしまう。

偶然と必然は紙一重であり、見る者によっても偶然にも必然にもなり得る。
結果が同じであっても見る者によって異なる過程となるのも同じ理屈なのかもしれない。結局、人の心情はうかがい知ることは出来ないし、後からいくらでも書き換えることも出来る。その人が書き記したものがあったとしても、それが真実なのかは誰にも分からない。

日々、様々な事象に遭遇し、乗り越えたり、いなしていったりしなくてはならないのであれば、まずは自分自身には正直に向き合っていたい。

本当の自分は、どう考えているのか、どうしたいのか。
その思考の先に下した判断の結果であれば、素直に受け入れたい。

オススメである。

大門剛明(2009)『雪冤』.KADOKAWA.


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