今回のテーマは令和5年度からの大学等の設置者変更に係る諮問についてです。

「大学等の設置者変更の認可の諮問について」(文部科学省)はこちら

令和5年度から学校法人旭川大学は公立大学法人旭川市立大学へ変更となるようです。学部学科構成は変更が無いようですが、この公立大学法人化はどのくらい前から検討されているのかを調べてみました。

「開学決定までの経過」(2021.05.26 旭川市)はこちら

詳細は上記の頁をご覧いただきたいのですが、平成28年度から検討に入っていたようで、令和3年度の市議会で承認、令和5年度に公立大学開学、令和7年度に新学部設置(「地域創造デザイン学部」)というスケジュールです。

この検討に入った元々は旧東海大学旭川キャンパスの閉校を受けて旭川大学の公立大学法人化の検討に入っていたようです。

現在、北海道旭川市には以下の3つの大学があります。

旭川医科大学(国立)

北海道教育大学(国立)

旭川大学(私立)

こう見ますと、旭川大学が文系の唯一の受け皿となっているようでして、東海大学が閉校した際の危機感がきっかけとなったのでしょうね。ちなみに下記の記事を見ますとまだ跡地利用には着手出来ていないようです。

「東海大旭川キャンパス、進まぬ跡地利用 8年前閉校、市に寄贈 民間や運動施設の活用模索」(2022.06.22 北海道新聞)はこちら

これって実は旭川市だけの問題ではなく、各地方都市ではどこでも起こりうる事象でして、北海道の場合、道の面積が大きいので同じ状況とは言い難いですが、県によっては県の単位で旭川市と同じ状況であった県もあります。つまり、収容定員を充足できない私立大学が撤退を決定したとして若年層の受け皿としての機能が突如失われることが起こり得ます。ちなみに同じ状況であった県としては例えば、鳥取県。元々、国立大学である鳥取大学と、私立大学である鳥取環境大学(平成13年度開学)がありましたが、鳥取環境大学は10年後の平成24年度には公立大学法人となりました。さらに平成27年度には公立大学とわかるように「公立鳥取環境大学」に名称変更までしています。

逆に、18歳人口に対して、大学数が多すぎるであろう県もあるわけでして、地域間の差が大きいのは確かですが、局所的に対応するのではなく、地域性も加味しながらも国公私立大学の設置形態を超えて国内の大学の機能を見直していく必要はあるかと。人口減少が著しい地域は特にですが。というのも、もはや国内での大学間競争ではなく、海外大学との競争の時代へ突入していますので。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

今後ともよろしくお願いいたします。

カテゴリー: 大学

2件のコメント

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