美しくも強い。ガル・ガボットという女優を始めて認識したのがこの映画でしたが、その麗しさにいっぺんに魅せられてしまいました。生身の戦闘シーンでこれほど鮮やかにこなしていた女優を私は知りません。盾と剣、時にロープ、というのは古典的でありながら、動きの巧拙が如実に出るように思いますから、拳銃とはまた違った難しさがあるのではないかと。ほぼ、素手で立ち向かうダイアナ(主人公の名前です)が戦場に向かい、プロの兵隊でも怯む戦場において、果敢に敵方に向かうシーンは歴史的とも言えると思ってしまいました。そこに男女の差もなく、ただただ人を救いたいという思いのだけなんですよね。それはダイアナが初めて出会った男性であるスティーブも同様。英国のスパイでありながら、国を救うというよりも現に、そしてこれから戦争の被害を受けるであろう人達をひたすら救いたいという一心で行動を起こしていく。その根本にある思いがダイアナを惹きつけたのでしょうし、またスティーブも彼女に惹きつけられたのでしょう。

この映画、実は単なるヒーローものという枠ではなく、戦争を引き起こす人間のエゴであったり、一方で周りの人を救いたいという思いであったり、と正反対だけど誰しもが内側に持っている感情を描いている物語だと思いました。日々の中にある空しい出来事も、とても充実した出来事も、両方あるけれど、悔いが残らないようその瞬間瞬間を判断し、行動を起こしていく、その積み重ねでしかないのだと思います。

結果として、ダイアナは写真でしか振り返ることはできないけれど、現代に生きる彼女にとってその時代に経験したことはかけがいのない道しるべとなっていることは間違いないのだと思います。

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

映画『ワンダーウーマン』.2017


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