遅まきながら、岡田准一さん主演の「ファブル」を観ました。

何でしょう。何かモヤモヤしてます。

登場人物に平手友梨奈さん演じる車椅子の女性(ヒナコ)が出てくるのですが、その人物へフォーカスしすぎなような気が。

宇津帆の狂気っぷりも、鈴木のプライドが壊される過程も、井崎のズレた感じも、どれも没入感がありましたが、ヒナコの場面だけスッと冷めてしまうというか。すみません。個人的な感想ですのでご容赦ください。

もとい、

岡田准一さん演じる佐藤のアクションシーンは前作にも勝るハードさで、度肝を抜かれました。それも冒頭のカーアクションからですから、全編に亘って、岡田准一さんの身体能力の高さを見ることが出来ます。驚きを通り越して感動すら覚えてます。

ただ、伝説の殺し屋にしては、あんなに人目を引くような騒ぎになってはマズイのではと心配になってしまいました。映画ですので派手さは必要ですし、そもそも佐藤はあくまで受け身がらのスタートなので彼が仕掛けたわけではないのですが、それにしても結果として大掛かりな騒動になってしまっています。なんて言うんでしょうか、静かなアクションというか、原作の佐藤の持つ不気味さが滲み出ている場面があっても良かったかもしれません。原作に偏り過ぎですかね。

それにしても、堤真一さんの宇津帆は良かったなぁ。相当、歪んでますが彼なりの正義が確かにあるし、それが最後まで貫かれていて、考えさせられました。正論は危うさと表裏一体だとも。バランスの問題なのでしょうが、一線を容易に超える人の思考を見せられてような感覚を覚え、背筋が寒くなりました。よーくアンテナを張っておかないとそうでない人とそうでない人との境目がますますボヤけてきますので。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

映画『ザ・ファブル 殺さない殺し屋』.松竹

南勝久(2015)『ザ・ファブル』.講談社.


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