今回のテーマは地方にある大学の振興策についてです。
地方にある大学関係者の多くの方が今、中央教育審議会大学分科会で議論されている魅力ある地方大学の在り方について注目されていることと思います。
田舎に住んでいる私もその一人です。
そこで、今回は6月8日に開催されました大学分科会の公開資料を少し概観してみたいと思います。
いきなりお金の話しをして申し訳ないのですが、国立大学法人と学校法人への予算規模の違いを改めて認識しました。
を見てみますと、もちろん単純比較はできないのですが、令和3年度の予算を見ますと、経営改革構想の実現の加速としてまして「国立大学経営改革促進事業」が48億円(昨年度比1億円増)に対して、「私立大学等改革総合支援事業」が110億円(昨年度比4億円減)となっています。
おっ、私立大学の方が額が多い!
と思われるかもしれません。
いえいえ。
会議資料にもありますが、学部学生の約8割が私立大学に在籍していると捉えなおすといかがでしょうか。予算は1:2に対して、学生数規模でみると2:8。
まったくもって、差が大きい。私立大学なんだから。という見方ももちろんあります。そうなると規模の大きな大学がやはり有利。でもそれって学生にとってどうなんでしょうね。
次に、
資料2-2 魅力ある地方大学の在り方に関するこれまでの意見と今後の論点
を見てみますと、中央教育審議会のこれまでの意見、「定員増に関する中教審の考え方」における主な指摘事項(補足すると地方の国立大学の定員増に関することです)、最後に「内閣官房取りまとめ」における主な指摘事項が抜粋されています。
1.地方大学の役割・地方大学を振興する意義
2.「魅力ある地方大学」の考え方
3.魅力ある地方大学を実現するための地域と連携の在り方
4.地方公共団体や産業界の役割
5.大学が地方創生の取組を進める意義
6.魅力ある地方大学の実現のための支援方策について
の計6項目がコンパクトにまとめられています。分かり易いです。経緯も含めて記載されていますので。まとめ記事ですね。
ここには地方における国立大学の役割というか位置づけ、公立大学、私立大学そして少ないですが高等専門学校についても言及されています。
多いですよね。高等教育機関といえば、これに加えて専門学校もありますから、本当に多岐に亘る議論が必要なことが分かります。
でも、専門学校は地方自治体所管の学校ですからこの中での議論にはなっていないですし、高等専門学校についても大学分科会の中では議論の対象となっていません。
これだけ、多様なプレイヤーが存在する高等教育課程のグランドデザインをすることは本当に大変なことだと思います。
今回の資料を拝見させていただいた私の印象は、国主導からいよいよ地方への分権が進んでいくのだということです。首長という言葉が幾度となく出てきます。
そこでやはり問題となるのは機能分化ですよね。
国立大学の役割
公立大学の役割
私立大学の役割
今まで偏差値でしか物差しがありませんでしたので、基準がそれしかありませんでしたが、これからは大学を機能で選別していく必要があるのではないかと。
同じ地域に同じような学部学科は本当に必要なのか。
連携するにしても、機能が分化していないと連携して発揮する強みがぼやけますよね。
あと、県や市単位で捉えていくのは少しスケールが小さいかと。そこまで細かくする必要性はないような気がします。下火になりましたが、道州制を本格導入し、道州単位で捉えていく必要も感じました。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
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