以前から佐賀県で大学を新たに設置する動きはありましたが、ようやく本格的に動き始めています。

「全国一4年制大学少ない佐賀県で「倍増」構想…若者流出止めたいが少子化で審査厳しく」(2023.06.10 読売新聞オンライン九州発)はこちら

上記の報道では2大学が開学予定で、一つは県立大学、もう一つは私立大学です。そもそもなぜ佐賀県で大学を設置する話しが動いているかと言う背景から見ますと、県の資料によれば、「15歳未満の人口割合が全国3番目」にあるにもかかわらず、8割以上の学生が県外に進学しているという現状があるようです。どの地方でも都会への人口流出は起こっていますが、8割もの若年層が流出しているというのは都市間競争が激しくなることが予測される地方では切実な問題なのだと思われます。

次に大学の概要を見てみることとします。まずは、県立大学から。

「「県立大学の基本的な考え方」を策定しました」(2023.02.14 佐賀県)はこちら

県が構想しているのは、ITと経営をベースに学ぶ分離融合型の大学。1学部で、入学定員は200~300名、収容定員は1000名前後を想定しているようです。開学予定は令和10年度ですから、あと5年後ということですが、その間にも置かれている状況は急激に変化していくでしょうから、見通すことは困難です。状況は異なりますが、広島県の叡啓大学は3年目にして定員割れを起こしていますので、公立大学は開学すれば必ず入学者は確保できるというのはもはや過去のものとなっています。(広島県は収容する大学数が多いので比較はできませんが、定員割れも起こりうる事例としては見逃せません)

次に、私立大学。

「新大学 名称は「武雄アジア大学」に」(2023.06.07 NHK)はこちら

学校法人旭学園が構想しているのは、学部は現代韓国学部と次世代教育学部の2学部で、入学定員は130名、収容定員は520名を想定しているようです。

この学生数の規模で採算がとれるかは不明ですが、上記の読売新聞オンラインの記事の最後の方にある通り、文部科学省は新設に関しては審査が厳格化され、主に学生確保の見通しにはそうとう精度の高いエビデンスが必要となります。県内に競合がいないからという理由だけでない、確かな見通しが必要となってきます。他の法人も注目していることでしょうから、他の新設の動向も併せて設置に向けては注目していきたいところです。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

今後ともよろしくお願いいたします。

(参考記事)


1件のコメント

30秒解説:令和6年度開設予定の大学の学部等の設置届出について(令和5年4月分) - 大学よもやま話 · 2023-06-27 11:35

[…] 佐賀県で新たに大学が開学します(県立大学・武雄アジア大学) 今後は私立大学の新設はほとんどあり得ないことに カテゴリー: 大学 タグ: 令和6年度設置届出 […]

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