奈良女子大学に令和4年度から設置された工学部は国内の女子大学で初めて開設される工学部でして、おそらくそれに関連して、学長が産経新聞に寄稿されています。

「ならじょStories ⑥女子大卒エンジニアが活躍する社会に」(2022.06.06 産経新聞HP)はこちら

上記の記事にもありますように、「日本にある76の女子大学のうち理学部を設置しているのは、お茶の水女子大、本学、日本女子大の3大学のみ」となっており、奈良女子大学の工学部は初めてということみたいです。

女子大学に理学部や工学部を設置する意義は?

まず最初に浮かんだ疑問はことのことでして、単純に、今までなぜなくて、開設する動機とはなんだろうかということでした。

つい先日の教育未来創造会議でも提言されていますように確かに海外の先進国に比べて理系に進む女子の割合が低いのは事実でして、それを改善しましょうということを謳っており、今後の政策動向にも影響を及ぼすことでしょう。ただ、参考資料を見ると、そもそもOECD諸国の中で、入学者に対する理工系入学者が減少傾向にあり、2019年度時点で、OECD諸国平均27%のところ、日本は17%と10ポイントも引く状況にあります。その中で女子の割合となるとさらに少なくなっているということで、人材需給の状況(「今後、不足されると予想される分野は理工系が多い」)を見ても、早急な対策が打つ必要があるのは明らかです。

で、実状はどうなのかと調べてみますと下記の通りでした。

出典:令和3年度学校基本調査より著者作成

出典:令和3年度学校基本調査より著者作成

出典:令和3年度学校基本調査より著者作成

出典:令和3年度学校基本調査より著者作成

そもそも理学系、工学系の学生数は全体の17%(理学3%、工学14%)でして、理学と工学の男女比はグラフの通り。圧倒的な男子の多さが見て取れます。ただし、細かに学科別でみていくと、生物学関係は比較的女子の割合が多いです。

単純に割合だけを見ただけですが、これだけ男子が多いと下手をすると教室に女子が数人ということが現実に有り得るということですから、嫌がる学生は多いかと。そうなると女子大学で開設することで少なくとも男女の違いを気にする必要がないということは大きくハードルが下がると思われます。

最後までお読みいただきありがとうございます。

今後ともよろしくお願いいたします。

カテゴリー: 大学

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