今回のテーマは、大学入試から見る高大接続についてです。

「中高一貫校と大学の未来を左右する「高大接続」の現状 ダイヤモンド社教育情報・森上教育研究所」(2023.04.27 DIAMOND online)はこちら

高大接続は高尚な目的としては学生生徒のスムーズな学習の移行を指していると理解していますが、現実的な問題として、上記の記事が示しているように「高校側と大学側双方にメリットがないと「高大接続」は進捗しない」のもまだ事実です。双方に「動く」もしくは「推進する」人がいて初めて実現するものですから。そう捉えると、上記の記事で主催された峰康治氏のような存在はこれからも必要となってくるでしょうし、お互いにすり合わせをする機会と場は増えてくることでしょう。

さて、今回、この記事で目を惹かれたには、各大学の入試への取り組みです。今さら入試の改革はどの大学も着手済みだよ、という印象を持たれている方も多いかと思いますが、以下の大学の入試改革は他大学にも参考となり得ます。

まずは、北海道大学フロンティア入試(総合型選抜)

大学入試というと大学側が選抜するものという思い込みがありますが、北海道大学では第一次選考を評価観点に基づき、高等学校の先生に託してしまう方式を採用しています。

「北海道大学 フロンティア入試における 「コンピテンシー評価」について」(北海道大学 アドミッションセンター)はこちら

領域ごとに複数の高等学校教員に評価をしてもらい、多面的に評価する工夫もなされています。高等学校では、探究学習の時間が設けられていますので、グループワークの評価もやろうと思えば平生の授業の中で行うことは可能。そう考えると大学入試では必須の調査書の進化版と捉えることも出来ます。運用が浸透していくと他大学でも実施可能かもしれません。

次に金沢大学KUGS特別入試

出願資格としては以下のどちらかに該当する必要があります。

  • 既にKUGS高大接続プログラムでKUGS特別入試への出願が認められた者
    2.国立研究開発法人科学技術振興機構のグローバルサイエンスキャンパス事業(GSC)の第一段階を修了した者(大学等が開講するグローバルサイエンスキャンパス事業によるプログラムにより一次選抜後 に受講者を育成する二次選抜までの育成プログラムを修了した者)

長いですが、要は事前プログラムを修了した生徒に受験資格が与えられるというもの。レポートを課されるなど本来の高大接続の目的に沿った内容となっていることから、モチベーションの高い学生の獲得には向いていそうです。この形態は既に私立大学では実施されている入試ですので、今後、より浸透していくものと思われます。

昨今の報道で、国立大学と言えども、学校推薦型や総合選抜型の入試による入学者が増加傾向にありますので、今後は各大学ともマッチング機能がより重要な視点となることは間違いないでしょう。そこには高等学校との関係も重要になってきますので、高大接続はその観点からも注目していきたいところです。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

今後ともよろしくお願いいたします。

(参考記事)


1件のコメント

大学入試も変革期を迎えています(お茶の水女子大学・産業能率大学) - 大学よもやま話 · 2023-10-05 11:44

[…] 30秒感想:大学入試から見る高大接続 30秒感想:東京外国語大学の入試における数学必須化について カテゴリー: 大学 タグ: お茶の水女子大学東京都市大学産業能率大学 […]

コメントを残す

アバタープレースホルダー

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です