今回のテーマは前回に引き続き、文部科学省が公開している「諸外国の教育統計」についてです。(公表されているデータはこちら

 この統計、ホント細かなとこまで公表されているのですが、中には統計の比較がなされており、今回はその中でも高等教育課程の私立学校の割合を見てみようと思います。

出典:文部科学省「諸外国の教育統計」令和3(2021)年度版より作成

ここで幾つか留意点があります。

まず統計年度が異なります。日本は2020年度、アメリカ合衆国は2017年度、イギリス・フランス・ドイツ・中国は2018年度、韓国は2019年度です。でもまぁ、割合で見ると誤差の範囲内でしょうから、グラフにしてみました。

また、日本と韓国の公立には国立大学も公立大学も含みますし、アメリカ合衆国とドイツの公立は州立大学を指します。イギリスはぱっと見、公立だけですが、「イギリスの大学は独立の法人であり、政府からの拠出が財源の50%以上、もしくは教職員給与が政府によって支払われている場合は公営私立とするという定義の下、国の分類も100%公営私立としている。」と資料の注意書きにありますので、ややこしいですが、私立ということになっています。逆にフランスの場合は、「フランスの「私立大学」は学位授与権が認められていない」とありますので、公立だけになっています。

面白くないですか! 学位授与をしない高等教育が存在していることが。実はフランスってエリート教育と高等教育課程がかなり重複していまして、グランゼコールという存在がその特徴となっています。現在は廃止が検討されているようですが。ですので、系統図で概観しますと一見シンプルに見えますが、読み解こうとすると日本の仕組みに慣れている方から見ますとドイツと同様、選択肢が複雑だったりします。

それはともかく、グラフにしてみると各国の特徴が一目瞭然ですよね。日本と近いのは韓国ですね。学生数でみると圧倒的に私立大学の割合の方が多い。日本が74.9%に対して、韓国は80.1%です。余談ですが、報道で取り上げられている様子ですと韓国は学歴社会が激しくなっているようで、序列もすごいそうですよね。ただ、本当のところは調べたことがありませんのでまた別途リサーチしてみたいと思っています。日本は国立大学が優勢には変わりありませんが、私立の序列も変わりつつありますよね。台風の目はここ数年志願者数日本一位の近畿大学、通称「近大」! 偏差値ではない基準で寝技のように持ち込むそのメディア戦略には興味が尽きません。

とまぁ、学生数の統計をグラフ化するだけでも色々な視点が湧き出てきます。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

今後ともどうぞよろしくお願いいたします。


0件のコメント

コメントを残す

アバタープレースホルダー

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です