今回のテーマは大学院(今回は修士課程)の早期修了制度についてです。早期修了?なんだそれ?という方もいらっしゃることでしょう。私もそうです。なので調べてみようと思ったのですが、これまた、様々な側面を持っていることが分かります。単に早く修了できるとうことに留まりません。入学するまでの学びの積み重ねの認定、そして社会人のリカレント教育にまで繋がっています。

 まずは、文部科学省の資料から見てみましょう。

資料1-2‘大学院設置基準の一部を改正する省令案(概要)( 中央教育審議会大学分科会大学院部会(第97回)配付資料)はこちら

この資料が分かりやすくまとめられています。大学院に関することですのでやはり大学院設置基準の改正が必要となってきますので、その改正の概要からそれに至る背景までが丁寧に説明されています。

結論から言うと、大学院の早期修了制度の根拠しては大学院設置基準第16条第1項但し書き(ただし、在学期間に関しては、優れた業績を上げた者については、大学院に一年以上在学すれば足りるものとする。)とされています。通常、修士課程の標準修業年限は2年ですので成績が優秀、つまりは2年もいる必要がないよという学生については半分の1年で修士課程を修了できるということです。

 で、話はここで終わりません。令和2年度の大学設置基準の改正では、もう一歩踏み込んで、「在学期間の短縮」と「在学期間の短縮&早期修了」が制度として追加されました。どういうことかというと他の大学院で入学前に単位を修得している場合も在学期間が短縮できます。加えて科目等履修生として修得した単位も含まれます。これは主に社会人の学び直しの後押しを図ったもので、科目等履修を推進するものです。ここでピンとくる人は履修証明プログラムが想起されるでしょうから、政策としてやる気のある社会人への後押しに関する制度を充実させていこうとする本気度が伺い知れます。

 ちなみに1年制コース(1年以上2年未満の修業年限でも修了することが可能となるコース)は平成11年に制度化されており、全部ではないですが、ざっと調べると下記の修士課程が出てきました。

 

大学名研究科名
早稲田大学経営管理研究科
早稲田大学会計研究科
日本工業大学技術経営研究科
日本社会事業大学福祉マネジメント研究科
名古屋商科大学ビジネススクールマネジメント研究科
名古屋商科大学ビジネススクール会計ファイナンス研究科
日本大学法学研究科
情報セキュリティ大学院大学情報セキュリティ研究科
法政大学イノベーション・マネジメント研究科
法政大学人間社会研究科
法政大学経済学研究科
法政大学デザイン工学研究科
青山学院大学会計プロフェッション研究科
産業能率大学総合マネジメント研究科
関西大学外国語教育学研究科
関西大学ガバナンス研究科
関西大学文学研究科
明治大学会計専門職研究科
金沢工業大学イノベーションマネジメント研究科
ハリウッド大学院大学ビューティビジネス研究科
立正大学地球環境研究科
立正大学法学研究科
武蔵野大学法学研究科
武蔵野大学環境学研究科
武蔵野大学人間社会研究科
昭和女子大学生活機構研究科
亜細亜大学アジア・国際経営戦略研究科
二松学舎大学国際政治経済学研究科
常磐大学人間科学研究科
独協大学外国語学研究科
独協大学経済学研究科
京都大学医学研究科
玉川大学教職大学院
文教学院大学経営学研究科
文教学院大学外国語学研究科
龍谷大学経済学研究科
成蹊大学経済経営研究科

 

 社会人を対象にした研究科が多く研究分野もビジネスマンを対象とした分野が多いのが特徴ではないでしょうか。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

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