先月の閣議決定において令和5年度補正予算に「高等学校DX加速化推進事業(DXハイスクール)」として100億円が計上されており、高校段階でのデジタル人材の育成の強化が図られます。

「令和5年度予算」(文部科学省)はこちら

「令和5年度文部科学省補正予算事業別資料集」(文部科学省)はこちら

(「高等学校DX加速化推進事業(DXハイスクール)」は54頁目)

求められる取り組み事例としては挙げられているのは以下の通りです。

・情報Ⅱや数学Ⅱ・B、数学Ⅲ・C等の履修推進(遠隔授業の活用を含む)

・情報・数学等を重視した学科への転換、コースの設置

(文理横断的な学びに重点的に取り組む新しい普通科への学科転換、コースの設置等)

・デジタルを活用した文理横断的な探究的な学びの実施

・デジタルものづくりなど、生徒の興味関心を高めるデジタル課外活動の促進

・高大接続の強化や多面的な高校入試の実施

・地方の小規模校において従来開設されていない理数系科目(数学Ⅲ等)の遠隔授業による実施

個人的には5番目の高大接続の強化等に着目していまして、このブログでもいくつもの事例を示していますように、大学入試は多くの大学で選抜という機能ではなく、マッチングという機能に変化していますので、その観点からも高校教育から大学教育へのスムーズな移行はもはや必須と言えると思います。高校選びの段階から将来この分野に進みたいからこの高校に進学すれば、高校・大学ではこのような学びが出来るとセットに捉えるようになって初めて高大接続が完了していると言えるのではないかと思っています。

まぁ、現実にはこの支援事業においても、支援対象の事例としてはデジタル教育に必要な設備面への支援が主な例として挙がっていますので、既にデジタル人材の育成に取り組んでいる高校を対象としているのだろうということは予測がつきますが、これを機に加速していくことに期待したいところです。

そう言えば、日本経済新聞に東京学芸大学の西村教授が海外の算数・数学教科書の調査から得られた知見を記事にされていますが、もう、前提が全く異なってきているという印象を受けました。

「海外の算数・数学教科書 アプリ利用、前提に設計」(2023.12.05 日本経済新聞・会員限定記事)はこちら

調査研究の結果の概要は上記の記事から、また、詳細は教科書研究センターの以下のサイトから確認できますので、是非ともごらんいただきたいのですが、コンテンツとしての教科書がデジタル化されるという手段だけでなく、そもそもの教育手法の捉え方を根本から見直す時期に来ているようです。

「算数・数学の教科書の世界的潮流に関する調査研究」(公益財団法人教科書研究センター)はこちら

上記の調査研究では、海外各国の教科書の位置づけなどの事例が取り上げられていますので、国内の初等中等教育課程のみならず、高等教育課程においてもそれを前提とした教育プログラム(インフラを含む)の見直しが必要になってくることが予測されます。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

今後ともよろしくお願いいたします。

(参考記事)


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