本日のテーマは、「リスキリング」についてです。私、そもそもこのワードを知りませんで、日本経済新聞の記事で社会人の学び直しの文脈でこの「リスキリング」というワードを始めて認識しました。高等教育業界にいて全く知らないワードに出合うということが段々無くなってきましたので、ムクムクと探求心が沸き上がってきました。

 そこで、まずは各省庁のHPから資料を調べてみました。もちろん、企業内研究所では様々な検討がなされていると思いますが、こと大学の施策に関わってくるとすれば各省庁の動きを捉えるのが近道ですし、まとめの資料もあるはずですし。

本日現在で、各省庁のHPのワード検索は以下の通り。別に省庁を限定しているわけではないですが、人材育成に関係する省庁ですとこのあたりかなと。もっと熱心に取り組んでいる省庁があるかもしれませんが。

文部科学省 0件

内閣府 6件

厚生労働省 55件

経済産業省 18950件

この結果を見る限り、経済産業省が主として取り組んでいるとしか思えません。教育という観点からすると文部科学省、労働問題(学び直し)に関する観点からすると厚生労働省、企業の喫緊の課題解決であるDX人材の育成に関する観点からすると経済産業省という棲み分けでしょうか。内閣府を含めた合同で実施する事業も出てきていますので、垣根もどんどん低くなっているんでしょうね。事実、「未来の教室」という事業で経済産業省は結構踏み込んでいますしね。

で、経済産業省でどのような審議が行われているかを次に調べてみました。

すると、「デジタル時代の人材政策に関する検討会」という検討会が立ち上がっており、

「企業・組織における人材の活用の仕方や、個々人の学びの仕方にも大きな変化をもたらすものと考えられ」、「新たな時代に即したデジタル人材政策の方向性について検討を行う」ことを検討会の目的としています。

デジタル時代の人材政策に関する検討会はこちら

委員名簿を見ると産業界だけでなく、大学からも委員に就任していますし、オブザーバーとして内閣官房、厚生労働省、文部科学省、経済産業省、情報処理推進機構(IPA)も参加しています。

 昨年度からすでに検討は始まっていて、

 第1回 2021年2月4日

 第2回 2021年2月26日

 第3回 2021年3月11日

 第4回 2021年6月1日

の計4回開催されています。

各回での検討資料もまた興味深いのでそれぞれ見ていきたいのですが、まずは最初に突き当たった「リスキリング」の定義から。

リクルートワークス研究所 石原直子氏の資料によると

「新しい職業に就くために、あるいは、今の職業で必要とされるスキルの大幅な変化に適応するために、必要なスキルを獲得する/させること」

第2回 デジタル時代の人材政策に関する検討会 資料2-2 石原委員プレゼンテーション資料はこちら

ちなみに同資料ではリカレント教育については、「リカレント教育は「働く→学ぶ→働く」のサイクルを回し続けるありようのこと。新しいことを学ぶために「職を離れる」ことが前提になっている」と定義されています。

リスキリングはreskillingですから、当然、スキルの再構築であってここでいうスキルは目の前にある業務に関するスキルの再構築、つまりは今までアナログで行っていた業務もどんどんデジタル化されていく中で企業がどのように人材育成をしていけばよいのか、それは一企業だけの問題ではなく、国力の問題へと繋がることだから、国策として推進していきましょうという流れと私は捉えました。そうなると、企業内だけの実践ではなく、企業外での効果的なプログラムも開発されて然るべき(しかもDXなので、相性も良さそう)ですし、すでに開発されていそうですよね。

引続き、リスキリングについてはリサーチしていきたいと思います。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

今後ともどうぞよろしくお願いいたします。


1件のコメント

デジタル時代の人材政策に関する検討会の第4回を見てみた - 大学よもやま話 · 2021-08-05 04:10

[…] リスキリング デジタル人材育成の方向性 投稿日: 2021-08-04作成者: takayamaclubカテゴリー: 大学、社会人教育 タグ: デジタル時代の人材政策に関する検討会、ポスト・コロナを見据えた新たな大学教育と産学連携の推進 […]

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