東大が動けば何かが動き出す。今回もそんなセオリーが働きそうです。

「College of Design(仮称)構想に関する報道について」(2024.02.20 東京大学)はこちら

「新課程のカリキュラム」の主な概要は以下の通り。

・学士課程修士課程一貫の5年制の課程

・デザインを幅広い概念として改めて定義し、従来の人文学、社会科学、自然科学、工学などの分野をまたぎ、文理融合の学際的な知識に基づく、従来とは異なる「デザイン」教育を展開

・授業は英語で実施し、学生自身の関心や問題意識に従い、学生が主体的に学んでいける環境を提供

まず、学士課程修士課程の5年間一貫教育について

調べてみますと、多数の大学で既に導入済みの制度のようでして、例えば、一橋大学経済学部では「5年一貫専修コース」、「5年一貫研究者養成コース」があり、「5年一貫専修コース」は「専門職業人養成プログラム」と「一般」で構成されています。

理工系学部などでは、今後この制度が一般化していくかもしれません。特に国立大学ではほとんどの学生が修士課程まで進みますし、端から修士課程ありきの学部のカリキュラムになっている大学も見受けられますので。

次に「デザイン」教育の展開について

東京大学に限らず、国内の大学が「デザイン」教育へ焦点を合わせてきているのは非常に興味深いところです。アート思考も見受けられますが、中身が今一つ理解が及びません…。

デザイン思考を前面に押し出した教育プログラムで有名な大学と言えば、スタンフォード大学d.school(正式名称:Hasso Plattner Institute of Design)ですが、大学のサイト以外にも日本人卒業生の紹介もありましたので、参考までにご参照ください。

スタンフォード大学d.schoolはこちら

「スタンフォード大学d.schoolを覗いてみよう」(2020.10.12 note)はこちら

「「デザイン思考」を発信するスタンフォード大学d.schoolを訪問してみた」(PARTNER)

こちら

これらによりますと、「Non-Degreeプログラム」ということですので、学部を超えて参加可能なプログラムのようで、在学生用の「各学期(Fall, Winter, Spring)で各10程度のCore, Boost Classと、土日等で開催される単位のないPop-up Classで構成される」ものと、学外の人用の「毎週のツアー、定期的に開催される1-Day Workshopなどを開催」しているようです。

デザイン思考というフォーマットが今後、高等教育課程にどのように浸透していくのか。個人的には、高等教育課程のみならず、中等教育課程にまで浸透していくことに期待したいところです。

ちなみに京都大学もデザインスクールを立ち上げていますので参考までに。

京都大学デザインスクール(「デザイン学大学院連携プログラム」)はこちら

最後に英語での授業ですが、これは取りも直さず、国内の大学というよりも国外の大学を視野に入れた導入でしょうから、プログラム内容の質も当然、国際基準が求められるはず。東大が世界の大学とどのようにわたりあっていくのかは、国内の大学関係者なら興味をそそられるはずです。出来れば、秋入学も俎上に上ってくると面白いのですが。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

今後ともよろしくお願いいたします。

カテゴリー: 大学

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