今回のテーマは、コミュニティ・スクールについてです。以前にも触れましたが、私が持っていた印象よりも多くの学校がコミュニティ・スクール化しています。

参考記事

 今回は、その検討会議の中間まとめが公開されていますので、見てみようと思ったところ、とある県教育庁の資料に目が留まってしまいました。

 それは和歌山県教育庁の発表資料。これが実に分かり易いのです。

「コミュニティ・スクールの在り方等に関する検討会議(第5回)配布資料」(文部科学省HP)はこちら

和歌山県はなんと2017年度から3年間で全ての県立高等学校にコミュニティ・スクール(学校運営協議会制度)の導入を政策に掲げて実施されたそうです。大学にとり、示唆に富む内容なのですが、まずは、「和歌山県の現状」です。

 ・少子化・過疎化の進行

 ・地域に高校生が残らない

 ・学校、地域がともに疲弊

 ・学校の規模が縮小

 ・高校と地域のつながりが希薄化

 ・地域から高校が消えるという不安

これって、地方にある大学で地域連携が盛んではない大学にもそのまま当てはまる現状だと私は思いました。そこで、県が取り組んだのが、まずは総務課にコミュニティ・スクール主幹を配置し3人体制で導入に向けて取り組み、具体的には県立高等学校長と全30市町村教育長を直接訪問されたそうです。それだけでも凄いのに、尚且つ、学校種の枠を超えた研修会を年間19回も開催されました。これだけ開催すれば、どこかには参加できるわけで、参加できない理由が立たない状況を敢えて作っていたのだと推察できます。

 また、県立高等学校訪問時に特に多かった質問も掲載されており、「授業の中で地域の方と一緒に活動をしているので必要性を感じない」という質問に対して、「1教科・1先生だけの取り組みではなく組織的に継続する事が必要です」の回答には深く頷いてしまいました。この「組織的」な取り組みこそが実は大切で、この器としてコミュニティ・スクールを活用することがキモとなっているのでしょう。これは大学にも同様のことが当てはまるわけでして、ただし、大学は自前でその仕組みを構築する必要があることが大きなネックとなっているのではないでしょうか。ですので、教員が授業内で実施しているのでそれで良いでしょうとなっている可能性があります。

 そんな状況の大学には是非とも、資料内の「コミュニティ・スクールを導入することにより得られる効果」を見ていただきたいです。

 ・地域の小中学生に学習支援等を行うことで地域とつながり、生徒自身に地域愛が生まれる

 ・キャリア教育の円滑な運営(地域なくしてキャリア教育はできない)

 ・高校生が自ら行動、参画し地域のために役割を担う

 ・キャリア教育をうけることで、地元に就職し貢献(若い力)

 このどれもが先ほど示されていた「和歌山県の現状」の課題に対してコミュニティ・スクールが一つの解になり得る可能性を示唆していると思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。

今後ともよろしくお願いいたします。


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