今回のテーマは企業による大学での講義についてです。

「GMOインターネットグループが九州大学で「インターネットサービスを支える技術」をテーマに講義を開始~ICTを武器にインターネット時代を勝ち抜くデジタル・情報リテラシーを向上~」(2023.04.14 九州大学)はこちら

あのGMOインターネットグループが九州大学で講義を開始するというプレスリリース。こういうところにまで及んでいるのだなぁと感慨深くなりました。もはや旧帝大ですら、学内の教育資源だけで捉えるのではなく、学外の教育資源に目を向けている時代が来ているということかと。感慨深いです、はい。

では、実際にどのくらい進んでいるのかということを見てみることにします。

今回のGMOインターネットグループも「寄附講座」というカテゴリーに入るかと思われますので、

寄附講座・寄附研究部門(九州大学)はこちら

のページを見てみました。

まずは、なぜ寄附講座・寄附研究部門を立てる必要があるかという目的から。

「民間企業等から教育・研究振興のために寄附された資金や人材を有効に活用し、本学の教育研究の進展及び充実を図ることを目的として、寄附講座及び寄附研究部門を設定しています」とのこと。

次に言葉の定義から。

「(1) 寄附講座 講座において行われる教育研究に相当するものを実施するもので、民間等からの寄附により教員給与、研究費、旅費等その運営に必要な経費等を賄うものをいいます。

(2) 寄附研究部門 研究部門において行われる研究に相当するものを実施するもので、民間等からの寄附により教員給与、研究費、旅費等その運営に必要な経費等を賄うものをいいます。」
なんだお金だけか、と捉える方もいるやもしれません。さにあらず、大学が学外から人を受け入れる、講義をする人を受け入れる器を用意する。これって、実は画期的なことでして、自大学だけで追えない分野もカバーしていきましょうという意欲の表れだったりします。実際、GMOインターネットグループの提供する講義も今、盛んに求められている分野ですしね。

ということで、次に、寄附講座等の数を見てみますと以下の通り(令和4年10月1日現在)

医学研究院(17講座)

歯学研究院(1講座)

薬学研究院(1講座)

工学研究院(2講座)

システム情報科学研究院(1講座)

応用力学研究所(1講座)

農学研究院(2講座)

比較社会文化研究院(1講座)

都市研究センター(1講座)

理学研究院(1講座)

やはり圧倒的に医学系が多く、九州大学における産学の連携の一端を見ることができます。

九州大学でこれだけ取り組んでいる訳ですから、地方の国公立私立大学は今後はもっと貪欲に学外の教育資源を求めていく傾向になると思われます。そこで重要なのは片手間で着手するのではなく、大学側も本気で取り組むこと。専門の部局を開設し、専門の教職員を配置し、如何にして教育資源を取り込んでいくかを戦略的に立案していく。これは規模の大小ではないですからね。マネジメントの巧拙ではないかと。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

今後ともよろしくお願いいたします。


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