今回のテーマは、大学等の設置等に係る認可の基準についてです。

「大学、短期大学及び高等専門学校の設置等に係る認可の基準の一部改正案に関するパブリックコメント(意見公募手続)の実施について」(2022.08.15 e-GOVパブリック・コメント)はこちら

とうとう認可基準が変更となりますね。変更の内容は以下の通り。

① 平均入学定員超過率による審査基準を改め、収容定員充足率による審査基準とする。

② 既設学部等の収容定員充足率が5割を上回ることを認可基準に加えることとする。

③ ①の改正に伴い、収容定員充足率の算定に当たって、一定の条件の下、修業年限超

過者を除くこととする。

簡単にまとめると単年度の基準から複数年度の基準へ変更となったということです。この改正には勿論、布石がありまして、中央教育審議会でも長らく議論となっていましたが、入学者の定員超過率の調整ってほんとに難しいんですよね。それを収容定員、つまり4年間のトータルの在籍者数の定員超過率で見ると、ちゃんと収まっていることはよくあることですから。なぜか。それは毎年度退学者が数パーセント出てきて入学者数からは確実に減少していくからです。

ということを分かりやすく以下の記事のようにまとめてくださっていますので、こちらもご参照ください。

「私大の学部新設を緩和、4年総定員数で判断…文科省方針」(2022.08.16 読売新聞オンライン)はこちら

なので、てこ入れをしようと学部学科の新設を検討したところで、入学者数の超過率で見てしまうと無理だから申請は止めておこうという判断をされた法人はあったと推測できます。

では、なぜ、ここにきてそれを変更するのか。これにも布石がありまして、政府は今、理数系の学生をもっと増やしたいんですよね。データサイエンスの分野も数万人の単位で修得者を増やす計画もあるくらいですから。そうなると設置認可基準を変えないと学部学科の新設に意欲的な大学(規模の大きな大学で有名な大学でしょうね、きっと)にとってはインセンティブが働かないですよね。ということで今回の改正がどのくらいの影響をもたらすのかは引き続き観測していきたいと思います。

ちなみに今回の改正の二番目の項目についても実は影響が大きいのではないかと個人的には思っています。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

今後ともよろしくお願いいたします。

カテゴリー: 大学

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