さすがと言いますか、教育未来創造会議で議論されたことが具体的に落とし込まれて議論が進んでいます。

「中央教育審議会大学振興部会(第2回) 配付資料」(2022.07.11 文部科学省)はこちら

ということで、第2回目の中央教育審議会大学振興部会の審議テーマは「文理横断・文理融合教育」についてです。

詳細は上記の頁にあります【参考資料2-1】大学振興部会における論点例をご覧いただきたいのですが、そもそも文理横断・文理融合教育をする必要があるのかから入っています。これって国内ではスタンダードな教育体系ですが、一歩外に出てみると、皆さんも耳にしたことがあるかとは思いますが、ダブルメジャーだったり、主専攻・副専攻だったり、学部はコンピュータサイエンスが先行だったけれど大学院は文学専攻だったりが普通に選択されています。そうなんです。一度これと決めたら最後まで、下手すると就職するまで一つの学問分野で突き進むって結構珍しかったりします。逆に言うと、日本がこれだけ経済発展してきたということを今から考えるとその教育体系はもしかすると時代にマッチしていたのかもしれません。特に理系の分野のスペシャリストを養成するという意味では。

しかし、これだけ多岐に亘る情報が世の中に溢れ、デジタル化も推進されている現代において、1つの分野しか科来と言うのは、もはやビジネス上では対応できないと誰しもが実感している、もしくは薄々気が付いている状況にあると言えるのではないでしょうか。

卑近な例で言うと、バリバリ文系の新卒がSEとして採用される例は昔からありましたら、そもそも文理の区分自体が個々の能力の可能性を狭めている可能性はあったかと思いますが、それはもう、個人の能力開発ですよということで、個人に依っていたところがあると思います。それを今回は、高等教育課程の段階でその幅を広げることを検討しましょうという議論が行われるわけです。少なくとも私はそう捉えています。

で、具体的な事例として挙げられたのが以下の4大学。

九州大学共創学部

金沢大学

東洋大学経済学部経済学科

大正大学共通教育科目

九州大学共創学部は各学部からの定員を拠出し、以下の5点を教育の特徴として挙げられています。

・徹底した語学教育

・課題解決型のカリキュラム(所謂PBLですね)

・実践的な協働学習

・海外大学等への留学(元々、国際教養学部の開設を計画していましたので必須なんでしょうね)

・留学生とのクラス・シェア

で、キチンと検証されていまして、卒業生アンケートから指摘されている課題として以下の2点が取り上げられています・

・授業の開講分野における偏り

・各分野の専門性の体系的な学びの不充分さ

あー、分かります。やはり、検証って大切ですよね。偏りと体系的な学びの重要性。一見すると学際的領域の学問は魅力があるのですが、如何せん人によっては中途半端な形で終わってしまうこともままあること。それをある一定のところまで持っていくかですよね。なので、日本以外では留年率も高いですし、修学歴も長くなりがち。4年間でスムーズに卒業するには相当勉強しなければ難しいということです。だからこそ、中等教育課程との接続が重要となるんでしょうね。

今回はひとまずここまで。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

今後ともよろしくお願いいたします。


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