直接の相手でなく、関係のある第三者に話すことで自身の思考が整理される。誰しもが経験のあることでしょうし、ないようであれば一度試してみてください。

今作においても、ながとろ高校カヌー部の4人を中心とした物語として進んでいきますが、より鶴見希衣と黒部舞奈の視点で描かれています。それぞれの視点でそれぞれの成長を描き、かつ恵まれた自然も例によって要所要所で彩られています。きっと、高校生にとってはあっという間の時間なのでしょうがとても濃密で心身の発達には欠かせない時間なのだと。

若い時に関わらず、えてして視野は狭くなりがちですが、他者との関係性、特に対話をすることで別の視点を獲得することはよくあること。最初に触れました思考が整理されていくのでしょうね。舞台は高校なのですが、社会人になっても十分に通用する内容です。カヌーが題材なのも私にとっては新鮮でした。

出来れば、続編を。強く希望したいです。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

武田綾乃(2021)『君と漕ぐ4―ながとろ高校カヌー部の栄光―』.新潮文庫nex.


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