少し前になるのですが、独立研究者の文化人類学者の磯野真穂氏の記事を目にしたことがあります。

「「ブルシット・ジョブ」との決別 大学をやめた学者が語る学びの作法」(2022.06.10 朝日新聞デジタル HP・有料会員記事)はこちら

磯野氏は「前職の大学から、翌年は任期を更新しないことを告げられ」たことに伴って、他大学の教員公募へ応募の手続きをとったのですが、そのために必要な時間と労力が膨大だったため、独立研究者を目指したとのこと。これって、教員公募に限らず、膨大な書類の作成に追われることってよくありがちです。この記事で私が気になったのが、「ブルシット・ジョブ」というワード。まんま訳すとお下品な表現ですが、言わんとするところの意図は英語が出来ない私でも瞬時に理解できるという優れたワードです。

このワードを世に広めた方が、英国のロンドン・スクール・オブ・エコノミクスのデヴィッド・グレーバー教授でした。(過去形なのは59歳という若さで既に逝去されているからです。ちなみに少し長いですが、酒井隆史氏の追悼文は教授の活動がよーくわかります。)題名はともかく、グレーバー教授の書籍は結構話題に上ったようで、検索すればすぐに出てきます。(「ブルシット・ジョブ クソどうでもいい仕事の理論」)当然、定義から分類まで書かれていますが、ご自身の業務のうちいずれかは、教授の分類に当てはまっているはずです。悲しいですが、会議が多いのも事実でしょうし、いくらテレワークにしたところで結局ツールの問題ではなく、構造や仕組みの問題ですので、構造化して本質(いったい何をする必要があるのか、何を決める必要があるのか、といつまでにですかね)が見えていないと不毛な会議は増えることはあっても減ることはないでしょう。

「「ブルシット・ジョブ」とは? ”どうでもいい仕事”はなぜ無くならないのか」(2022.02.24 マーケティングブログ )はこちら

一方で、デジタル化やAIの活用の幅に気が付いた企業は、人員削減や配置転換に着手しています。

「ヤフー、全社員を最先端IT人材に 8000人を再教育 データ駆使し新事業」(2021.12.22 日本経済新聞HP・有料会員限定)はこちら

「【独自】三菱UFJ、全支店の過半数「窓口なし」店舗に…TV電話で対応」(2021.05.16 読売新聞HP・読者会員限定)はこちら

ほとんどの”どうでもいい仕事”はデジタル化やAIの活用で代替え可能だと私は思っていまして、あとは運用する側のマインドセットの問題かと。そうなると、若い世代の方が先入観なく柔軟に対応が出来るでしょうから、昇任昇格基準の改訂も必要となるのでしょうね。

最後までお読みいただきありがとうございます。

今後ともよろしくお願いいたします。

カテゴリー: Life

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