ようやく分かりました。色彩です、色彩。続編のこの物語を読んでやっと分かりました。合間にある描写に色彩が浮かんでくるんですよね。前の物語を読んだ際に感じた違和感。それは、私が読んできた数少ない他の物語では浮かんでこなかった色彩が描かれています。それは登場人物の周囲の環境を描写しているだけでなく、登場人物の心理そのものを反映させているようにも感じました。これは初めての体験でした。それが認識出来てから、一段と没入できるようになったことは不思議な体験でした。

前回の物語では、どちらかというとながとろ高校に入学した新入生2人を中心に描かれた物語でしたが、今回の物語は2年生の2人を中心に描かれていると感じました。前回の物語の後半でペアを組むことになった、鶴見希衣と湧別恵梨香のペアとしての距離感、鶴見希衣と元ペアだった天神千帆との距離感。その3人とも良い距離感の黒部舞奈。いやぁ、私、性別が男性で、年齢も壮年ですので、もはや女子高生のことなど全く不明なのですが、それでも、キャラクターとして非常に魅力的です。そういうこともあるだろうなぁと思わせてくれ、女子高生というよりも一人の人間として魅力的なところが今回は更に深堀りされています。そして、なんといっても、今回は強敵たちと銘打っているだけあって他校の生徒もこれまたよいキャラクターが出てきています。

続編があるようですので、引き続き読んでいきたいとおもいます。

そして、今回もともかく、おススメです。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

武田綾乃(2019)『君と漕ぐ2―ながとろ高校カヌー部と強敵たち―』.新潮文庫nex.


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