３０秒間読書感想文：福田和代氏『梟の一族』

　本日の物語は、福田和代氏の『梟の一族』です。あらすじは、下のリンクで集英社HPに繋がりますので、そこで確認は出来るのですが、何の先入観も持たずに読んでいただきたいなぁ。梟と称される一族の物語。そして、装丁に描かれている少女の物語。彼女、榊史奈のまっすぐな視線としなやかな姿勢。これが物語をまさに物語っていると思いました。それだけを持って、読んでいただきたい。

　今物語の福田氏のストーリーテーリングも絶妙で、日を置かずに一気に読了してしまいました。あっという間の物語なんですが、その展開の広さと、奥というか底というか深さに圧倒されます。他の物語もそうなんですが、緻密なんですよね。綿密な取材と片付けられない、広さと深さを今回の物語でも実感することが出来ました。

私、実は参考文献も読んでしまうタイプで、今回も興味深い文献が出ています。そして、私が特に興味を引かれたのが、その後に記載のある「この物語に登場する団体、組織、人物などは全て架空の存在であり、・・・・」のあとに続く一文。これにジーンとしてしまいました。

今回は、非常に短い感想文ですが、伝わったかなぁ。それくらい、本筋に触れたくないということです。まずは読んでいいただきたい！

おススメです。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

福田和代（2019）『梟の一族』．集英社．

（参考記事）