1月31日の日経新聞に下記の記事が掲載されていました。

「「魔の川」に消える起業の種 大学10兆円基金の遠い道」(日本経済新聞HP)はこちら

要は、スタートアップの育成については、そもそも事業化の種はあっても芽が出る段階まで行くかまでに資金を投下できるかどうか(目が出るまでの段階を「魔の川」と表現されるそうで、ほとんどが流されていくそうです。)が問題であって、その規模が日本の場合圧倒的に少ないとのことです。全然、要約できていなくて申し訳ありません。詳細は記事を読んでください。会員制ですが、無料版もありますので、是非。

で、当然の如く、海外の大学、といっても米国一択なのですが、はどうしているのか。そこは卒業生の寄付金等で積み上がった基金の運用益が源泉なんですよね。

ほう、ではどれくらいなのか。

「米ハーバード大学に学べ! 長期に複利運用を続けると起こるスゴイこと【投資の基本を知る その3】(小田切尚登)」(2020.11.12 JCAST HP)はこちら

「米ハーバード大の寄附基金、前年度リターン34%-競合校に後れ取る」(2021.10.15 Bloomberg HP)はこちら

まぁ、桁が違うというか。ハーバード大学では、基金の規模は2021年6月までで530億ドル、1年間での110億ドルの増加だったようです。ドルですよ、ドル。でもこの34%のリターンでも競合校に後れをとっているようでして、ブラウン大学やイエール大学はそれ以上のリターンを獲得しています。

「Yale endowment earns 40.2% investment return in fiscal 2021」(2021.10.14 Yale University HP)はこちら

原資は、先ほども触れました通り、多額の寄付のようで、サラリーマンでも3%程度は寄付をするようです。税制の優遇もあるでしょうから、単純な比較は出来ませんが、それにしても違いがあり過ぎます。先に挙げました小田切氏の記事によりますと、「600校の合計がハーバード一大学一校の4分の1程度に過ぎない」ようでして、単なる文化の違いというよりも制度の違いのような気がしてなりません。

日本で世界と伍する研究大学を輩出するために10兆円ファンドを設立するのでしょうが、制度は絶えず見直して、本気度を示していかないと伍するまでには遠い道のりなんでしょうね。

参考までに個人寄付の記事を挙げておきます。

「ぐるなび会長、50億円の個人寄付 東工大など3校に」(2018.03.01日刊工業新聞HP)はこちら

「日本電産の永守氏、私財「医療と教育に」 京都で研究所寄付」(2017.11.25日本経済新聞HP)はこちら

「東京大学が創立130周年を記念し、「情報学環・福武ホール」を2007年に開設 ~高度情報化社会における教育・文化・コミュニケーション研究の発信拠点~」(2005.12.12東京大学HP)はこちら

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1件のコメント

1分間解説:「国際卓越研究大学法」が成立しましたね - 大学よもやま話 · 2022-05-26 22:53

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