「諸外国の教育統計」令和３（2021）版が公開されています（その1）

　今回のテーマは文部科学省が公開している「諸外国の教育統計」についてです。（公表されているデータはこちら）

　諸外国の教育状況のデータについては、今まで文部科学省が作成している各種委員会等の資料での抜粋版しか知りませんでしたので、今回、初めて全容を認識することができました。どこかに公開されているんだろうなぁ、という程度で本気で探してきませんでしたので、今回、全容を知ることができて、少し興奮気味です。

なので、回を分けて見てみたいと思います。というのも98頁もある資料ですので、一回だけだと勿体ない。是非、皆さんにもっと知っていただきたいと思っているからです。（既に知っているよという方には申し訳ない回ですが）

　結論から申しますと、私、国内の教育状況も知らないことがありました。ましてや、諸外国の教育状況もステレオタイプに知っていただけだったのだと改めて痛感。知ったかぶりでした。反省…。

　今回は、ホントに最初の項目なのですが、学校系統図についてです。

学校系統図とは？　なんですが、就学前教育から高等教育課程までの教育課程の学校種別を学年と年齢で系統化した図です。

日本ですと、一般的には、幼稚園→小学校→中学校→高等学校→四年制大学／短期大学／専修学校という流れですよね。でも、細かく見ていくとそれ以外のルートもある訳で、例えば、小中一貫教育の義務教育学校であったり、中高一貫教育の中等教育学校であったり、高等専門学校であったり、専修学校にも一般課程と高等課程があったりと実は多様な選択肢があります。

高等専門学校と専修学校は混同されている方もいるかとは思いますが、全く異なる教育プログラムで運営されています。大学についても最近ですと専門職大学という従来の大学とは異なる形態の大学も出来ており、広告で見たことがある方もいらっしゃると思います。

　で、この資料では、アメリカ合衆国、イギリス、フランス、ドイツ、中国、大韓民国のデータが公表されていますので、ご興味のある国の系統図を見ていただきたいのですが、私が注目したのが、アメリカ合衆国です。

　アメリカ合衆国へ何度か旅行で行った事がありますし、報道でも出てきますので、知っていたつもりですが、知ってなかったです。アメリカ合衆国は州の独立性が高い国ですので、州によって異なる仕組みとは思いますが、初等中等教育課程が多様です。現在は、５－３－４年制が一般的みたいですが、日本と同様な６－３－３年制もあれば、８－４年制、６－６年制、４－４－４年制もあるという多様性。当然、教育プログラムも異なるでしょうから、興味深いです。資料の割合から円グラフを作成してみましたので、参考にしてみてください。その多様性がひと目でお分かりいただけると思います。

出典：文部科学省「諸外国の教育統計」令和3(2021)年度版より作成

中等教育課程も初等教育課程ほどではないですが、多様性があります。

それと比較して、高等教育課程はシンプルと言えばシンプル。総合大学と総合大学以外の四年制大学、そして二年制大学に大別されます。総合大学は日本と同様の学部と大学院があり、加えて専門職大学院（学部レベルのプログラムを提供している場合もあるそうで、ここらあたりも興味深いですよね）で構成されています。専門職大学院は医学・法学などの専門職教育を行う教育機関で、日本の専門職大学と近いですが、四年制大学を修了した後に資格などを目指して進学する大学院です。そして、２年制大学にはジュニアカレッジ、コミュニティカレッジ、テクニカルカレッジがあり、州立の２年制大学は主としてコミュニティカレッジあるいはテクニカルカレッジを指しています。この学校種については、個人的に興味がありますので、別途調べていきたいと思います。

とりあえず、その１は終了とさせていただきます。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

今後ともどうぞよろしくお願いいたします。