今回のテーマは、世界と伍する研究大学の実現に向けた制度改正等のための検討会議(第5回)についてです。

12月24日に第5回の検討会議が開催され、論点整理が公開されています。詳細は、文部科学省のHPに公開されていますので、そちらをご覧ください。

世界と伍する研究大学の実現に向けた制度改正等のための検討会議(第5回)配付資料(文部科学省HP)はこちら

名称が仮称ですが、「国際卓越研究大学制度」と定められており、その目的は、

「世界と伍する研究大学は、世界最高水準の教育研究活動による知・イノベーションの創出に加え、起業家等も含めた時代の要請に応え世界で活躍できる人材の輩出・育成、ベンチャー支援等に関わる出資法人等も活用した知の適切な価値付けと社会実装による新産業の創出や人類が直面するグローバル課題の解決などによって人材・知・資金などの好循環を生み出し、成長し続けることで、社会変革を牽引する中核となることが求められる。」

となっています。従来の日本の大学から飛躍した本当に世界と伍する研究大学を目指すことが謳われています。その制度設計の根幹ですから、気合を感じます。この制度に認定された大学には大学ファンド(何度もマスメディアに出てきており、名前だけが独り歩きしている印象はぬぐえませんが)からの助成もあり、総合的な支援がなされる予定です。

ちなみに国立大学法人に限定された制度ではなく、公立大学法人、学校法人も対象となっていますが、よく出来ていて、一度文部科学大臣へ報告書を提出したにもかかわらず、再度検討会議が設けられた学校法人ガバナンス改革についても微妙に絡んでいます。(曰く、合議体のメンバーは理事長だけが任命する仕組みはダメだと)

それはさておき、国際卓越研究大学の認定の要件ですが、以下の3つとなっています。

  • 自立と責任あるガバナンス体制(企業体に近いマネジメントが出来る人員配置)
  • 国際的に卓越した研究成果の創出(何はなくとも研究成果)
  • 実効性高く意欲的な事業・財務戦略(自律的なマネジメント)

資料のうち、「制度改正に向けた論点整理(案)」(資料1-2)を見ていただけると一目瞭然なんですが、1の分量が2と3に比べると圧倒的に多いです。それくらい重要視しているということなんだと思います。逆に言うと今の大学(国公私立問わず)の体制では全くもって歯が立ちませんよということの裏返しなのかもしれません。まずは体制を変革することでマインドセットをさせる、同時におそらく一般企業から人材を供給しないと上手くいかないと思います。大学の内部にこのような人材はおそらくものすごーく少ないはずですから。そこからすると私学は本来的にダイナミックな意思決定ができる組織体であるはずなのですが、実状はそうでもなくなっているのでしょうね。

そして、見落とせないのが「規制緩和」です。

授業料設定の柔軟化や長期借り入れや債券発行要件の緩和、出資対象の拡大など、実は重要な規制緩和がこの制度を起点に行われようとしています。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

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カテゴリー: 大学

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