これは果たしてミステリーなのか。事件の謎を追っていくという観点からすると確かにミステリーなのですが、何とも不思議な感覚に襲われます。今までの人生で全く知り得なかった人物に遭遇するとこういった感情に襲われるのでしょうね、おそらく。

主人公は3名。

寝たきりの母親を介護するために警察を退職した薮下。

有名企業の御曹司でありながら警察マニアの淳太郎。

そして、謎のハンターの一花(いちか)。

そう、この一花が最後まで想像出来ませんでした。私の想像力では。

でも、よく出来ていて、私がこの物語を手に取ったその表紙に書いてある三人のイラストで何とか私の欠如した想像力を補うことが出来ました。そして、物語を最後まで読んで、表紙を見直すと「おーっ!」とも思ってしまうという。

それぞれのキャラクターの立ち方が特定の人物のあてがきをしているかのように綿密に描かれていますし、描写設定も緻密です。そして何より、プロットが本当に緻密。私が没入感を味わえる遠い事象が最後にあざなえる様が絶妙に描かれており、ラストへ向けての疾走感が見事でした。

これは、続編があるでしょ!と思ったら、本当にあるようですので、また没入してみたいと思います。

おススメです。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

川瀬七緒(2019)『賞金稼ぎスリーサム!』.小学館.


1件のコメント

1分間読書感想文:川瀬七緒氏『賞金稼ぎスリーサム! 二重拘束のアリア』 - 大学よもやま話 · 2022-02-01 23:39

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