アメリカ合衆国の奴隷制ってほんの最近まで続いていたんですよね。そのことが歴代の大統領に仕えた黒人の執事の人生とリンクして描かれていて、思わず引き込まれてしまいまいた。奴隷として生きることを強いられた人々がいたという事実とそこから執事という職業から見えてくる白人の社会であったアメリカ合衆国という事実。そして彼自身の家族の物語でもあります。彼は2人の息子に恵まれ、子供達には自分の人生を生きてもらいたいという願いをもって日々、仕事に邁進するが、それが特に長男には通じない。その葛藤の中にある彼自身のスタンスと、歴代の大統領のスタンスの違いもきちんと描かれています。

 このように書くとなんだか重苦しい物語のようでもあります(まぁ、実際重たいテーマが満載なのです)が、音楽のチョイスが素晴らしいです。そこが救いと言うか深みと言うか、物語への没入を促してくれています。

主人公・セシル役のフォレスト・ウィテカー氏の抑えた演技も本当に素晴らしい。本当に執事のように抑えているのですが、その激情が垣間見えるという演技。そしてその周りの演者の方もそれぞれにキャラクターが立っていて、特に大統領は似すぎ。

新年から良い映画に出会えたことに感謝です。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

映画『大統領の執事の涙』.2013


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