今回は世界と伍する研究大学の実現に向けた制度改正等のための検討会議(第4回)の資料の解説をしてみたいと思います。何分私見ですので、改めて資料を確認されることをおススメします。

世界と伍する研究大学の実現に向けた制度改正等のための検討会議(第4回)配付資料(文部科学省HP)はこちら

私、大いなる勘違いをしておりました。大学ファンド(10兆円ファンドとも称されています)は、これまでの研究支援の概念を覆すような仕組みで、かつ恒久的に支援していく仕組みなのかと思っていました。

今回、公開されています内閣府科学技術・イノベーション推進事務局が作成した資料(「大学ファンドによる支援の基本的考え方」)を見てみますと、時空間を超える役割として、

・世界と伍する研究大学の持続的成長(時間:長期的継続性)

・我が国の研究力の厚み拡大(空間:広がり)

を掲げ、今までにない支援策を標榜しています。継続的支援は長くても5年程度、支援は縦割りでしたから、これが方針として出るだけでも本気度が伺えます。

但し、同資料にはこうも記載されています。

「大学ファンドは、研究開発基盤の抜本的強化を図るのみならず、将来的に大学が自律的に財政基盤を強化するに当たっての初期投資としての意義がある」

「初期投資」なんですね。要は自立するための支援ということ。その観点から資料を見返すと合点がいくことも多いです。

例えば、「新しい資金の流れ」の例示として

・大学発ベンチャー

・価値創出型の共同研究

・卒業生を含む関係者からの寄付

・大学独自のファンド

が挙げられています。

その他にも「3%成長」のワードがちらほら見受けられますし、そのための体制づくりにも言及されています。

勿論、「目指すべき大学像の4要素」として

・Research universityの機能強化

・優秀なPh.Dの輩出

・Junior facultyの育成

・学問領域の創出・育成

が掲げられていて、「次代の社会構造へ」向けた重要な要素は挙げられています。

あとは、大学自身のマネジメント力ということでしょうか。しかし、相当な経営者でないと組織の改編、具体的には現構成員のマインドセットをしつつ、3%の利益を生み出しつつを実現していくのは相当な困難が予想されます。外形は出来ると思いますが、冠にあります「世界と伍する」となるまでには気が遠くなりそうです。やらない理由にはならないですが。

で、私が思ったのは、既存の大学への支援よりも新しく開設した大学(例えば、沖縄科学技術大学院大学)で実績を作ってしまって、他の大学に移植する方が早いかもでした。当然想定した上でしょうが。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

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