今回は少し遅いですが高等教育局関連の令和4年度概算要求の解説をしてみたいと思います。何分私見ですので、改めて資料を確認されることをおススメします。

中央教育審議会大学分科会(第163回)配付資料(文部科学省HP)はこちら

全ての項目と膨大になりますので、新規の項目だけにしました。

新規項目は以下の3項目です。

  • 地域活性化人材育成事業 28億円
  • スマートDX設備を活用した高度専門人材育成事業 75億円
  • ポストコロナ時代の医療人材養成拠点形成事業 16億円

1の地域活性化人材育成事業(SPARC)については、以前に記事にしましたのでそちらをご覧いただくとして、概要はタイプA(大学院教育型(5年一貫)・10件×50,000千円)とタイプB(学部教育型・15件×150,000千円)の2タイプ。要件例として記載がありますが、例の「大学等連携推進法人」等を活用となっています。地域連携プラットフォームやら連携推進法人やらと地方の大学はもはや単体で生き抜くことは難しいのは明らかなので手を伸ばしていると見るのか、淘汰への布石と見るのか。補助事業に引っ張られるのみではなく、戦略的に取り組んでいきたいものです。

2は、実験・実習設備のデジタル化の促進が目的の事業。設備だけでなくカリキュラム開発にも補助のようですが、どの経費を対象とするかはまだ不明です。取組イメージとして挙げられているのは、

 ・農業系(農機具などのデジタル化って意外と一番面白いような気がしています。)

 ・医療系(これは定番ですよね。医療のデジタル化は必須です。)

 ・工業系(これも定番ですよね。ただ、素形材産業や建築現場のデジタル化はまだまだこれからなんでしょうね。ドローンによる保守も普通になってくるでしょうし。)

最後に3。事業内容としては、「地域医療や遠隔医療に関する教育プログラムを構築・実施」とありまして、「地域ニースの高い複数分野(総合診療、救急医療、感染症等)」を学べるプログラム、地域医療機関での実習、遠隔医療のための教育コンテンツの開発が具体的な内容となっています。単体ではなく、複数の大学の事業を要件としています。

どうだったでしょうか。新規事業の項目は「地域」と「デジタル化」がキーワードとなっています。独自開発するにせよ、連携するにせよデジタル化はどの産業においてももはや避けて通れませんし、大学も単体での生き残りから地域連携した生き残りへとシフトが必要となってきています。裏を返せば連携できるほどの独自リソースを有していることが前提なってきます。連携するメリットが無ければ、連携する意味がないですしね。それでも連携して強いコンテンツや人材を有している大学に吸収されていくことも予想の範囲なのかもしれません。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

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カテゴリー: 大学

2件のコメント

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